サイトエンジンでは、採用のためのコンテンツの制作を支援することがあります。また、自社でも採用コンテンツを少しずつ制作しています。
採用コンテンツのネタを考えるときの参考にしていただくためのアイデアをまとめて紹介します。自社の採用サイトはもちろん、外部の求人媒体などで情報を追記するときにも参考にしてください。
ミッション・ビジョン・バリュー、文化など
自社が何のために活動していて、どういう状態を目指しているのか、どういった考え方や行動規範で動いているのかを発信することは、どんな人に入社してもらいたいのかをアピールすることにつながります。
合う人、合わない人が明確になるような強烈な印象を与えるようなエピソードを盛り込んで書くのが望ましいです。すべての人に魅力的に思ってもらおうとすると伝わりにくい曖昧なコンテンツになりがちなので、自社にマッチする人だけが魅力を感じるコンテンツにします。
社員インタビュー
自社で活躍している人たちにインタビューしてそれをコンテンツにすると、一緒に働く人たちの様子が見えて候補者の方が自分と会社の相性を判断しやすくなります。記事や動画など複数のフォーマットがあります。最近はショート動画を撮影してTikTokやYouTubeショートに投稿して応募を増やす会社が増えています。
インタビューの内容は、以下のようなものが代表的です。
- 前職まででどのような経験をしてきたか
- なぜこの会社を選んだのか、入社した経緯
- 平均的な一日の仕事の流れ
- 仕事のやりがい
- どのような人に入社を薦めるか
職種ごとにそれぞれ数名ずつインタビューコンテンツがあると、候補者の方がチームに入ったときの様子をイメージしやすくなります。
社内制度や福利厚生など
社内制度や福利厚生などを書くことで、社内の雰囲気を候補者の方に伝えます。
たとえば、社員同士の飲み会や部活・サークル活動などが制度としてあり、活発に実施されていると書けば、それを魅力に感じる人だけが応募してきて、プライベートで同僚と過ごすのは避けたいと考える人は応募を避けるでしょう。どちらがよい悪いという話ではなく、自社にあった人だけに応募してもらうのが大切です。
ここで気をつけたいのが、伝える制度や福利厚生に魅力を感じる人に応募してもらいたいのかという視点です。たとえば休みが多いと書いて、それを魅力に感じる人に応募してもらいたいでしょうか。求人への応募者数は増えるかもしれませんが、休日の多さを軸に探している人たちからの応募が増えるかもしれないことをよく考えたほうがよいです。あえて目立たせないほうがよい制度もあるかもしれません。
サイトエンジンの採用サイトでも福利厚生や制度を紹介しています。
統計データ
以下のような自社の様々なデータをできる限り詳しくグラフ化して紹介することで、参考にしてもらいます。
- 男女比、管理職の男女比
- 平均年齢
- 新卒・中途の比率
- 業界や職種の経験者の比率
- 年齢や勤続年数に応じた平均給与
- 平均残業時間
- 有給取得率
- 産休・育休取得率
- 既婚率・子どものいる率
- 職種ごとの人数、割合
- 売上・利益の推移
- 拠点数
以下はサイトエンジンで採用のための資料の中で使っているデータの例です。
業務内容や自社のノウハウなど
普段の仕事の中で考えていることや業務効率化した工夫などを、自社メンバーから発信してもらいます。これによって自社の認知度が高まって、応募数が増えます。継続的に発信を続けることが重要です。
事業戦略や現状
自社の戦略や事業の現状を詳細に伝えることで、候補者の方の理解が深まり、応募が増える可能性があります。どういったお客様がいらっしゃるのか、業界での自社の立ち位置はどうなっているか、今後の事業計画などを説明することで、入社後にギャップが発生することがなくなります。
ミッションやビジョンとセットで会社の未来を伝えることができれば、現状ではなく将来性に期待してより良い人材に選んでもらえるかもしれません。
クライアント情報
特にBtoBの事業をしている場合、どのようなクライアントと取引しているのかは候補者にとって興味関心を持つポイントとなります。
また、クライアントのどのような課題を解決して社会に貢献しているのかは、仕事のやりがいにつながる重要な情報です。導入事例インタビューや顧客の声などは採用サイトや採用デックでも使えます。
入社後のキャリアパス
社内にどのようなポジションがあり、入社後にどうキャリアアップしていけるのか、実際に過去にあった例を挙げつつ書くことで、入社後の成長や昇進のイメージがつくようになります。
評価制度も可能な範囲で開示して説明することで、昇進や昇給のペースなどがわかり、将来の待遇を予測できるようになるため、候補者にとって親切です。
マネジメントに必ず進む必要があるか、専門家として特定の領域に特化して管理業務などをせずにキャリアを積めるかなども気になる職種の人はいますので、説明すると入社時に志向があう人を集めることができます。
オフィスツアー
オフィス内の様子を写真と解説で紹介するコンテンツです。事前に働く環境を見てもらうことで、ミスマッチを減らせます。オフィスの風景だけではなく、多くの人が働いている様子を見せることが望ましいです。
選考フロー
適性検査、面接、ワークサンプルテストなど選考プロセスを開示します。どれくらいの期間で、いくつのステップを経て内定に至るのかを気にしている候補者の方は多いです。
たとえばワークサンプルテストなどの他社ではあまり実施されていないステップがある場合、それを採用サイトなどで見えるようにしておくことで、そのステップで離脱する見込みの高い人を除外することができて、効率化につながります。特徴的な選考の方法は興味を持ってもらうきっかけになることもあります。
よくある質問とその回答
求職者の方からよくある質問とその回答を採用サイトに掲載しておくことで、疑問点を自分で解消できるようになります。また、よく質問されるめずらしいポイントを記載することで、自社の特徴的な点を伝えることもできます。
採用デック、ピッチ資料
採用デック・ピッチ資料とは、上記のような採用に関する様々なコンテンツを1つの資料にまとめたものです。パワーポイントやCanvaなどで横長のスライドで作成します。
以下はサイトエンジンの採用デックです。
採用コンテンツ運用を成功させるポイント
継続する
一度まとめてキリのよいところまで作って終わりにするのではなく、ずっと作り続けることが必要です。自社の最新の状況を正しく反映しているコンテンツを継続して公開していくことで、少しずつ閲覧者が増えて応募につながります。
社内を巻き込む
社内メンバーにも採用コンテンツの制作に参加してもらいましょう。社員インタビューをさせてもらうのはもちろん、どんなコンテンツを作れば求職者の方々に興味を持ってもらえるのかを、各職種のメンバーに相談します。たとえば、エンジニアが魅力に感じる採用コンテンツがどのようなものなのかは、エンジニアの視点を持っている人でないと作成が難しいでしょう。
事業や組織を共に成長させるメンバーとして、全員が採用に臨む意識を持つようにします。できれば人事からだけではなく経営からもそのスタンスを発信してもらうのが効果的です。
伝えたいことではなく、求められている情報を
自社の魅力を求職者の方から見た視点で書くようにします。求職者の方々が求めていそうな情報を考えて、それにあわせてコンテンツを企画します。
透明性を高める
求職者によってはネガティブに受け取られる可能性があるようなことも含めて、何でもオープンに開示します。選考プロセスできれいな部分だけを見て入社してしまうと、入社したあとのミスマッチが発生しやすくなります。
良い面も悪い面もすべて見てもらって入社を決めてもらいます。何らかのネガティブな情報が元になって、選考途中で離脱される方がいても、それは採用時点でミスマッチをなくせてよかったと考えます。
同世代が作る
求職者と近い視点を持っているメンバーが採用コンテンツを作ることで、伝わりやすくなります。同じ情報でも伝え方によって違う受け止め方をされるので、世代が近い人の視点を入れたほうが応募数が増えます。
たとえば新卒採用のためのコンテンツは、できれば入社後3年以内くらいの若手が作るようにします。
親近感を持ってもらえるように作る
堅い表現ばかりだと、入社へのイメージがわきにくいかもしれません。社内メンバーの素の様子を描くことで、親近感を持ってもらえるような表現で作りましょう。普段社内で会話しているのと同じような表現で作ると、わかりやすいコンテンツになります。