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SEO業務の2分類 コンテンツメディアとデータベースサイト

2021年6月26日

SEOをするとなったときに、人によってイメージしている内容が異なることがあります。それはその人が関与してきたWebサイトの種類によります。この記事では、SEO業務の2つの種類、コンテンツメディアのSEOと、データベースサイトのSEOについて紹介します。

1.コンテンツメディアのSEO

コンテンツメディアとは何を指しているかというと、ニュースサイトやブログなど、読み物が継続的に公開されていくようなものを指しています。

コンテンツメディアのSEO業務は以下のようなものです。

  • どんなニーズが世の中にあるか調べる
  • そのうちどのニーズを対象にするかを選ぶ
  • 何を書くかを企画する
  • どのキーワードを対象にするか選ぶ
  • どうやって書くかを決める
  • チームをつくり実際に制作する
  • 制作したコンテンツによる成果を計測して、次の企画をする

実際に制作するところまでが仕事になります。編集者、ライター、校正者、監修者など、コンテンツを制作する体制をつくり、日々データを見てPDCAをまわしながらコンテンツを追加、改善していく業務です。

基本的に最初のSEOの設計が正しければ、Webサイトの構造や設計、システムの部分については、やることがあまりないです。AMPやCWV(コアウェブバイタル)などGoogleによる何かしらの発表があったときに都度対応していく必要はありますが、それ以外にWebサイトのソースコードを変更したり、CMSの仕様を変更したりする機会は少ないです。

また、UI・UXなどを変更する機会もデータベースサイトと比べると少ないです。CTAの見せ方や内容を改善してCVRを上げるといった細かい仕事は日々ありますが、大きな改修はあまり発生しません。

コンテンツメディアのSEOで必要なスキル

  • 事業内容の深い理解
  • 顧客のインサイトを得る
  • 企画
  • 編集
  • 文章力
  • 地道に改善する継続力

2.データベースサイトのSEO

データベースサイトは、EC、求人、不動産、飲食店、美容室、病院など、掲載される情報が膨大にあり、そのデータベースを元にサイトが成り立っているものを指しています。ユーザーのレビュー投稿が増えていく、営業が新規取引先を獲得するたびにページが増えるなど、Webサイト運営担当者が何かしら変更しなくても、勝手にページが増えていくような仕組みになっています。(データベースサイトという言葉は広く使われていないので、人によっては通じない可能性があります。ご注意ください。)

コンテンツメディアは制作したコンテンツの数だけページが増えていくのでページ数はそれほど多くなりません。一方でデータベースメディアは地域ごとの検索結果、カテゴリ・タグごとの検索結果、地域とカテゴリを組み合わせた検索結果など、組み合わせ数が多いので、それにともなってページ数も多くなります。

このデータベースサイトでのSEOで主に実施することは、以下のような業務です。

  • どう情報を収集、分類していくかデータベースの構造を決める、もしくは変更する
  • 階層ごとのテンプレートの改善(どの情報をどこまで表示させるか、どういう順番で見せるかなど)
  • UXを変更してユーザー投稿の内容や量に変化を起こす
  • 新規のページ生成方法を実装して、インデックスさせてみて成果がでるか確認する
  • アルゴリズムやGoogleの仕様(過去の例だとAMP、構造化マークアップなど)が変化したときの対応策の調査と提案
  • エンジニアやデザイナーへのディレクション
  • 表示速度など、CWV(コアウェブバイタル)関連の指標のチェックや改善案の提示
  • 上記すべてに関与する解析とPDCA

データベースサイトは膨大なページ数になっていることが多く、1ページずつ改善していく方法はあまり採用されません。影響が小さいためです。

特定のカテゴリや階層のページのテンプレートを変更して、数字の変化を見ながらサイクルをまわします。ちょっとした変更が数千から数万ページに影響を与えることになり、影響範囲や規模が大きなものになります。たとえばタイトルタグにどういう順番で情報を並べるかだけでも、順位やCTRへの影響は大きいでしょう。同じようにページのファーストビューでどんなものを見せるかもユーザーの行動やSEOに大きな変化を与えます。

ある程度の規模以上のデータベースメディアになると、まずは小規模に実験して、成果が出たらすべての該当ページに適用するという流れになります。

データベースサイトのSEOでは、エンジニアとの共同作業が多いです。そのため、データベース構造やHTML・CSS・JavascriptやUI/UXなどの基本を理解していることが大切です。

データベースサイトのSEOで必要なスキル

  • プログラム知識(何が進めやすいのか、開発に時間がかかるものはどれか、ざっくりとした工数の推測はつけられるのが望ましい)
  • UI/UXデザイン
  • HTML/CSS/Javascriptなどのフロントエンドコーディング
  • インフラ
  • 大規模なデータ分析
  • エンジニアやデザイナーへのディレクション
  • 開発進捗管理などプロジェクトマネジメント

どちらを実施するかをイメージして採用や外注先の選定をしましょう

2つのSEO業務の種類を紹介しました。どちらが良い悪いという話ではないですし、規模が大きいWebサイトはほとんどが両方を組み合わせて実施しています。規模の小さなWebサイトではコンテンツメディアのSEOだけをやることもありますが、規模の大きなデータベースサイトでは両方に取り組むことが多いです。サイトによってどちらにどれくらい工数をかけるかを決めることになるかと思います。

多くのSEO経験者は両方に関与したことがあるかと思いますが、2つを均等に経験しているわけではなく、たいていどちらかに偏っているでしょう。なので、大切なのは、どちらが得意な人を採用する、担当者としてアサインするかです。

同じように外注先パートナー企業を探す場合にも求めているSEO業務が得意なほうを採用するべきです。その人や会社の過去の経歴や打ち合わせなどで、どちらのタイプに強いかを判断していきましょう。

毛塚 智彦

この記事を書いた人

毛塚 智彦

2006年からデジタルマーケティングを開始し、2008年にサイトエンジンを創業しました。 SEO、コンテンツマーケティングが得意です。立ち上げた直後のメディアから、数千万PVあるようなポータルサイト・ECサイトまで、幅広く関与してきました。 業務ではマニュアル作成などの仕組みづくり、事業立ち上げ、採用などを担当しています。 Twitter

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