かくたまでは、企画から記事の執筆まで含めたコンテンツ制作を請け負っています。
一般的な内容をまとめる記事はもちろん、専門の資格を持った有識者のライティングおよび監修をお受けすることも可能です。
今回は、保育園で管理栄養士の仕事をしながら、赤ちゃんと子どもの食の専門家であり、管理栄養士ライターとして活躍している椛島貴子さんにインタビューをさせていただきました。
【経歴】
名前:椛嶋貴子(Instagram)
管理栄養士 一児の母
東京農業大学短期大学部栄養学科卒業後、栄養士の資格を取得。女子栄養大学食文化栄養学科に編入し、様々な角度から食を学び、卒業。その後、保育園の栄養士として勤務中に管理栄養士の資格を取得。
「保育者」の一員として子どもとかかわり、食育活動や献立の作成、栄養相談などの活動や、保育園での仕事をしながら赤ちゃんと子どもの食の専門家として、食育をサポートする活動を行う。
その傍らで栄養士ライターとして食や栄養に関する記事や、幼児食冷凍食品を販売する会社の栄養相談やコラムの執筆。
また、日々の食事に関することから食材の使い方、ダイエットに関することまで、食にまつわる知識を幅広く発信している。
【実績】
①栄養士ライターとして記事の執筆
もぐうぇる他、様々なウェブサイトに掲載。ウェブサイト(macaroni、もぐううぇる、マイナビウーマン、homeal(掲載予定))
雑誌(PHPからだスマイル2021年8月号掲載予定)
②赤ちゃんと子どもの食の専門家としての活動
「保育者」の一員として子どもとかかわり、食育活動や献立の作成、栄養相談、アレルギー食対応、地域のママさん向けの離乳食講座を行う。
【Q&A】
ーさっそくですが、管理栄養士を目指したきっかけや管理栄養士としてのお仕事についてお聞かせください。
椛嶋さん:管理栄養士を目指したきっかけは、栄養士の経験を積んで受験資格を取得できたときに、友人が一緒に受験しようと誘ってくれたからです。
新卒で就職した時から、保育園の栄養士として働いています。保育園での仕事は、ただ子どもたちの食事を作ることだけではなく、献立作成、栄養相談、子どもとのやり取りや食育活動、野菜の栽培や食べるときの環境設定についての知識も必要な仕事なのです。じつは保育園の栄養士は、管理栄養士は必須の資格ではありません。しかし、資格取得のために勉強したことや日々の仕事で学んだことは、仕事をしていくうえでとても大切なものになっています。例えば、保育園の保護者の方から栄養相談を受けた際には、特定保健指導の※行動変容ステージの把握に関する知識が役に立つときがあります。保護者の食に対する考えやお子さんの状況を把握し、抱えている問題に対してどのようにアプローチしていけばいいのかを具体的に提案することができます。
※ 行動変容ステージモデル:人が行動を変える場合は「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通るという考え。
(引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-07-001.html)
一方で、管理栄養士を持っているからできることもあります。その一つが、ライターとしての執筆の仕事です。出産を経て、自分の持っている知識を多くの人に知ってもらいたいと思った時に、信用できる資格があることはとてもありがたいことでした。管理栄養士という資格を取得することで、より食や栄養に関する知識を深めることができ、その知識を自分が今まで仕事を通じて得たものと合わせることで、自信をもって正しい知識を多くの人に伝えられます。SNSを通じての発信や食に関する記事の執筆、栄養相談を受ける中で、さらに最新の食・栄養さらには子どもに関する知識をアップデートしているため、管理栄養士ライターとしても日々成長中です。保育園の中からでは届かないところに、食の知識が届くといいなと思いながらライターとしての仕事をしています。
ー管理栄養士でありながら、ライターとしてもお仕事をされた理由、きっかけを教えてください。
椛嶋さん:もともと、文章を書くことが好きで、新卒で就職して間もないころから、いつか専門分野である食に関する記事を書く仕事がしてみたいと思っていました。出産し、子育てをしていく中で、自分のやりたいことをもっとやってみたいと思うようになり、挑戦することにしました。
ーそうなんですね。では、執筆するにあたってのご自身の得意分野や専門はどんなことですか?
椛嶋さん:保育園で長年にわたり子どもの食にかかわる仕事をしているので、離乳食や幼児食に関することには自信があります。
離乳食の進め方や月齢、年齢に沿った調理方法、アレルギー食に関すること、体の発達に合わせた食形態や食器食具、環境設定についてなど、保育園の栄養士だからこそ知っていることがたくさんあります。また、食材に関する知識や食育に関しても日々の仕事で培った豊富な知識を持っています。
ーでは次に、管理栄養士ライターとして気をつけていることを教えてください。
椛嶋さん:専門知識をわかりやすく伝えるようにしています。また、読み手の気持ちに寄り添えるように、読者像を思い浮かべて、この人は何を知りたいんだろう、今どんな気持ちで読んでいるだろうと考えながら執筆するようにしています。
専門知識を正しく伝えようとすると、どうしても文章が硬くなってしまうので、読みやすく、伝えたいことがしっかり伝わるように、柔らかい文章を心がけています。
―素晴らしいですね。他にも、管理栄養士ライターとしての仕事のクオリティを上げるために取り組んでいることは何かありますか?
椛嶋さん:食に関する記事を日常的に読むようにしています。新しい知識を取り入れるためでもありますが、より分かりやすい言い回しや、文章構成などを学ぶようにしています。
ー保育園栄養士としての経歴とそこで得たものについてお聞かせください。
椛嶋さん:保育園の栄養士の仕事は、約10年ほど続けています。その間さまざまな園にお世話になって、子どもに特化した栄養や食の知識をたくさん得てきました。
特に離乳食に関しては、スプーンの選ぶときには細くて薄いものを選ぶと良いことや、段階を進めるときに口の動きをしっかり見るようにすること、赤ちゃんの体幹を鍛えるための抱っこ食べのやり方など本には載っていない「もっとこうするとうまくいく」というポイントや段階を進めるときの見極め、調理のポイントや食べさせる時のコツをたくさん学んで、日々知識をアップデートしています。
食材の栄養や調理方法、食材同士の組み合わせに関しては、日々の調理の仕事だけではなく、子どもとかかわることで得た知識もたくさんあります。子どもは、興味のあることをどんどん質問してきてくれるので、一緒に考え、学ぶことで、どんどん知識が増えていきます。子どもと一緒に成長していける、とてもやりがいのある仕事です。
ー素晴らしいお仕事なんですね。他にも、食育活動や献立の作成、栄養相談、アレルギー食対応、地域のママさん向けの離乳食講座など、椛嶋さんはさまざまなお仕事をされていますが、これらの仕事をするうえで気を付けていることや心がけていることは何かありますか?
椛嶋さん:食育活動は、年齢や発達に合わせてできることを見極めて子どもとともに行います。また、「食育」は普段の生活や食事もその一環だと考えています。しっかり生活を営むことができるように日々のサポートをしっかり行うようにしていました。
献立の作成は、どうやったら子どもでも食べやすいか、食材の組み合わせはどうか、調理工程は調理室のメンバーに負担がないか…など、たくさんのことに気を配り、行っています。給食を作るのは、時間との勝負なので、どうやったら短い時間でおいしく栄養豊富な食事を作れるのかを日々考えながら献立を作成しています。このあたりの経験を活かして、離乳食や子ども向けのレシピをご紹介する記事の執筆も積極的に行っています。
栄養相談では、「食べない」「偏食」といった相談が特に多く寄せられます。相談の内容をよく噛み砕き、そのご家庭に合った解決法をお伝えするように心がけています。
アレルギー食の対応では、「みんなが食べておいしいアレルギー食」を目指して作っています。例えば、小麦粉、卵、乳製品を使わないで作ることができる米粉のマフィンや三大アレルゲン不使用で豆腐を使うブラウニーは、みんなで一緒に食べられるので、人気のあるおやつです。アレルゲンを除去したからとといっておいしくなければ意味がありません。みんなで食べられるアレルギー食を作ることで、「みんなで同じものを食べられる喜び」を、アレルギーを持つ子どもにも経験してもらうように心がけています。ご家族で一緒に食べられるアレルギー食レシピのご紹介記事を執筆した経験もあります。
地域のママさん向けの離乳食講座では、正しい離乳食の知識をお伝えしています。インターネットで知識を簡単に得られる昨今は、2歳まで離乳食を食べさせなくていいといった情報や哺乳瓶で麦茶を飲ませると母乳やミルクを飲めなくなるといった間違った知識も簡単に手に入ってしまいます。専門家である管理栄養士が、正しい知識をお伝えし、赤ちゃんの健やかな成長の手助けができればと思い、講座を行っています。
ーありがとうございました。最後に今後の活動への意気込みをお聞かせください。
椛島さん:今後は、保育園の枠を飛び出して、もっと多くの人に自分の持っている知識やスキルをお伝えできれば、そしてお役に立てればいいなと思っています。管理栄養士ライターとして記事の執筆はもちろんのこと、個人の活動として、離乳食講座や幼児食講座などの「食の育ちを支える」活動を活発に行っていきたいと思っています。
今回は、このような機会をいただき、ありがとうございました。