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製造業は社内SEO対策できる? SEO内製化のメリットや課題

2023年8月2日

「よい製品を作れば何もしなくても売れる」というプロダクトアウト志向が強い製造業では、営業活動においても既存顧客を重視し、新規顧客獲得は手薄な傾向がありました。しかしコロナ禍を経て製造業でもWebマーケティングの重要性が増したため、SEO対策、特に社内でSEOに取り組む「インハウスSEO」に注目が集まっています。

製造業でも重要視されるSEO対策

長らく製造業(特にBtoB)における主な新規顧客開拓手段として、重要な役割を果たしてきたのが展示会です。業界団体やイベント企画会社が主催する展示会にブース出展し、製品に興味を持ってくれた来場者と名刺交換して営業を行い、最終的に商談へとつなげる営業スタイルが広く行われていました。

しかし、2020年に国内で新型コロナウイルス感染症が拡大したことで状況は大きく変わります。接触を回避するため展示会やイベント、プライベートショーなどは中止・延期となり、見込み顧客を獲得する機会が減少しました。展示会主催側でもオンライン展示会など新たな試みを始めていますが、対面と違い顧客の課題感が見えにくい、実機展示ができないため製造業には適さないなど、オンライン展示会に対して課題を見出す企業も少なくない状況です。

このような状況下で、多くの企業では新たな見込み顧客獲得の手段として、集客のためのコンテンツ拡充やウェビナー開催など、オウンドメディアを軸としたWebマーケティングへとシフトしています。同時に、自社製品やサービスに関心を持ってもらえそうな見込み顧客を呼び込むためにSEO対策にも力を入れ始めています。

SEO対策は社内でもできる? 製造業がSEOを内製化するメリット

SEO対策は、専門知識を持った企業に外注する方法のほか、自社ですべてを行う方法(内製化)があります。内製化することにより、コスト削減やノウハウの蓄積、迅速な対応ができるなどのメリットがあります。

SEO対策の外注費を削減できる

SEO対策とひとくちに言っても、キーワード分析やコンテンツ企画などのコンサルティングや記事を制作するコンテンツSEO、サイト構造を最適化する内部SEOなど、取り組む内容はさまざまです。これらの対策を外注する場合は、内容によって相場が変わるものの、およそ月額5万円~100万円程度の費用がかかります。

内製化することで、これら外注費を削減可能です。SEO対策費は継続的に支払う費用のため、SEOツールの導入・運用費用を差し引いても、大きなコスト削減効果があります。

SEOに関するノウハウを蓄積できる

外注ではなく内製を選択するメリットとして、社内でSEOに関するノウハウを蓄積できることが挙げられます。SEO対策は手間や時間がかかるため、外注した場合はすべてを任せてしまいがちです。しかし外注先への丸投げでは自社の人材が育たず、契約を終了した途端、何をすればよいかわからなくなる状況に陥る可能性があります。

内製化することで、このような外部依存を防ぎ、SEOに対する知見と自社の事業の両方を理解している人材を育成できます。また、自社にとって最適な施策を立案・実行できるようにもなります。

柔軟かつスピーディーに対策ができる

SEOは、取り組んだからといってすぐに効果がある施策ではありません。対策を行っているものの、思うように検索順位が上がらない場合もあれば、Googleからペナルティを受けて突然順位が下がってしまうこともありえます。そのような問題やトラブルが起きた場合、内製化していれば社内で迅速かつ柔軟に対応することが可能です。

逆にSEOを外注している場合、現在起きている問題や自社の状況を伝えるのにタイムラグが生じます。また対策内容によっては追加費用が掛かる場合もあり、見積書のやりとりや社内での決裁などに時間がかかる可能性があります。

製造業がSEOを内製化する際の課題

SEO対策の内製化は多くのメリットがあります。しかし製造業が社内でSEO対策に取り組む際には、大きく3つの課題が考えられます。

ひとつめは、SEO対策の知識を持った人材の確保です。多くの製造業では専任でSEO担当者を置くことは難しいでしょう。そのため兼任で担当せざるを得ず、片手間に業務を行うため細かな施策が実施できない状況が見られます。また知識がないまま過去に行われていたような古い対策や誤った対策を行ってしまい、逆に検索順位を下げてしまう状況も見られます。このような事態を防ぐためには、正しい基本知識を持った人材を専任担当者として配置することが大事です。内製化するにあたっては、SEOの知見を持った人材を育成できる体制づくりが大きな課題となります。

もうひとつは、SEOに対する全社的な理解を得ることの難しさです。SEOは中長期的な対策で目に見える成果が出にくい上、売り上げなどの利益に直結しない場合も多くあります。そのため短期的に効果が出るWeb広告などと比べて、経営層からの理解が得にくい可能性があります。経営層だけでなく、Webサイト経由の集客や売り上げとは関係が薄い他部門ではSEOの有用性を理解してもらうことが難しく、全社的な理解を得ることが内製化する上での課題です。

最後に、アクセス解析ツールや内部診断ツールといった有料のSEOツールを導入することに対する社内の理解を得る困難さがあります。「SEO対策とは有料で外部リンクを買うこと」と誤った理解をしている経営者や「SEO対策には多額のコストをかけたくない」とコスト負担を嫌う経営者もおり、ツール導入に否定的な経営者からの理解を得ることも課題です。

SEOの内製化に向いている製造業の特徴

製造業がインハウスSEOに取り組む場合、向いている企業とそうでない企業があります。以下のような企業は内製化に向いています。

SEOの専門的な知識を保持した人材がいる

SEOを内製化するためには、専任で施策に取り組める担当者が必要です。兼任でも不可能ではありませんが、きめ細かい施策の実施や迅速な対応が難しくなり、効果は限定的になります。

専任担当者には、SEOの専門知識を持った人材であることが求められます。はじめから専門知識を持った人材を採用できる企業は少数のため、外部企業のサポートなどを受けながら、地道にノウハウや知識を身に着けていく必要があります。人材育成に時間をかけられる企業、時間がかかることを理解している企業が、SEOの内製化に向いています。

SEO対策ツール等の導入に抵抗が無い

SEO対策を効率化するためには、データ収集や分析、キーワード調査などのルーティン作業をツールによって自動化することが不可欠です。ツールの導入により、担当者は手間や時間を削減でき、コンテンツ企画などの重要な部分に専念できるようになります。

このようなSEOツールの重要性を理解し、一定の費用をかけて導入することに抵抗がない企業は、SEOの内製化が向いています。

SEO対策の重要性が社内で理解されている

SEOは、特定の部門、担当者が行う施策ではなく、他部門の協力が不可欠であることを全社で理解してもらう必要があります。経営層がSEOの重要性を理解している企業では、ツールの導入やSEO施策を進めるために必要な予算や人員を確保しやすくなります。

またSEOではユーザーのニーズに合致したコンテンツを発信する必要がありますが、適切なコンテンツを制作するためには、製品・サービスの専門的な知識や顧客に関する情報を持った各部門の協力が欠かせません。そういった点でも、全社的なSEOへの理解が必要です。

経営層の理解と全社的な協力、このふたつが揃った企業はSEOの内製化に適しています。このような企業では、各種施策の立案もしやすく、スピード感を持って施策を実施できるため、SEOの成果が出やすくなる傾向にあります。

製造業ならではのSEO対策のポイント

製造業がSEO対策を行う上で、以下の3つのポイントを押さえておくとスムーズに進められます。すべての企業に共通した内容ですが、製造業にとっては特に重要なポイントです。

目的・ターゲットを明確にする

SEO対策の第一歩は、対策するキーワードの選定です。ユーザーニーズにマッチしている、また競合に勝てるキーワードを選定するためには、まずWebサイトの目的やターゲットを明確にしなければなりません。この部分があいまいだと、適切なキーワード選定ができなくなります。

例えばメガネメーカーであれば、Webサイトの目的は「ブランディング強化」や「ECサイトへの送客」など。ターゲットは、「視力が悪くメガネを購入したい人」や「自分に合ったメガネの選び方について知りたい人」などが考えられます。これらを明確にした上で、軸となる対策キーワードを選定しましょう。そして競合調査などを実施し、設定したキーワードに合わせたコンテンツを企画していきます。

また、ターゲットを明確にすることでデザインなども最適化できます。例えば文具メーカーが運営するBtoCのECサイトであれば、「デザイン性が高い文具に関心がある20~30代女性」をターゲットに適切な配色やフォントを選ぶといった方向性が考えられます。

自社製品に関する情報を収集しておく

製造業の場合、自社製品に関する情報がそのまま良質でオリジナル性のあるコンテンツになります。例えば製品のスペックや素材へのこだわりに関する情報、顧客からの問い合わせへの回答などは、それだけで立派なコンテンツです。とりわけ、自社製品の耐久性や耐水性といったデータは、しっかりと用意しておきましょう。

製品を設計する企画部門や顧客と接する機会が多い営業部門、サポート窓口となっているCS部門など、日常的に各部門の情報を収集するような体制づくりも重要です。

自社製品・サービスの導入事例を掲載する

製品・サービスの導入事例は、ユーザーが購入・利用を検討する際に参考にする情報です。具体的な事例があることで、見込み顧客は自社への導入イメージをもてます。
また、過去の導入事例を整理し、顧客インタビューなどを行ってコンテンツとして掲載すると、他社との差別化にもつながります。


製造業でのSEO対策の重要性、内製化の課題やポイントを整理しました。自社に合ったSEO対策を実施し、幅広く集客へとつなげましょう。

まとめ

製造業において、顧客接点としてのオウンドメディアの重要性が増しています。より多くの見込み顧客を獲得するためにSEO対策は不可欠であり、長期的な視点からは自社SEOの内製化も検討したいところです。

人材やノウハウ不足が課題の場合は、専門企業のサポートを利用する方法があります。サイトエンジンではSEOの内製化を支援するサービスを提供しています。興味がある方はお気軽にお問い合わせください。

野崎未弥子

この記事を書いた人

野崎未弥子

サイトエンジン株式会社のWebマーケター。熊本オフィスでコンテンツ記事の作成やSEO対策などを担当しています。

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