社内の一部の人がSEOを理解していても、きちんと全社でSEOのルールを守ってWebサイトを運用できるとは限りません。わかっているが徹底されない、もしくはわかったつもりで間違った方法で運用することが起こります。Webサイトの規模が大きくなるほど人数も増えていくので、全員が同じ基準で運用するのが難しくなります。
なぜ品質にブレが発生するのか
SEOへの理解度の違いによって、品質に差が生じてしまいます。たとえば、「タイトルタグに上位表示させたいキーワードを入れる」という話は、SEOを少し学んだことがある人なら誰でも知っていますが、それをどれくらいまで具体的かつ細かく意識しているかは人によって異なります。タイトルタグについて少し考えただけで、人によって以下のような差がでることは想像できます。
- メインキーワード、サブキーワードをどう探すか、どう選択するのか
- キーワードの配置(前方に置くなど)は意識するのか、どれくらい厳密にするか
- カテゴリ名、社名、サイト名などは表示するか、どこに表示するか
- 文字数の目安を決めるか
- 検索結果でのクリック率(CTR)を上げるためにどんな工夫をするか
これらはこうしたほうがよいのでは?というベストプラクティスを多くの人が知っているつもりになっているだけで、すべての状況で正しいと言える方法はありません。そのため、あなたの会社にあわせて決める必要があるのです。
チェックリストを制作して最低限の水準を保つ
SEOを社内に浸透させるときに有効なのが、自社独自のSEOチェックリストを作ることです。SEOチェックリストとは、守るべきルールを誰でも確認しやすいようにチェックリストにしたものです。上から順番に確認しながらWebサイトの仕様を決めたり、コンテンツ制作の方法を決めたりすれば、SEOに適した状態になるようにします。もし毎回チェックするような運用にするのが非現実的であれば、レギュレーションやガイドラインといった表現にして、ページを新設するときに確認する資料として使います。
よくあるルールを自社に向けてカスタマイズしてチェックリストにしていきます。
たとえば、構造化マークアップの種類は以下のようにGoogleの公式サイトにまとまっています。ただ、これらを1つのWebサイトですべて使うということはないです。(まあYahoo! JAPANみたいなサイトならあるかもしれませんが・・・)そのため、自社に必要な部分だけを抜粋してチェックリストに含めていくことが必要です。不要な部分を含めてしまうと、ノイズになり、読み手の時間を無駄に奪うことになってしまいます。
Article |
Book |
パンくずリスト |
カルーセル |
Course |
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関するお知らせ |
評論家レビュー |
Dataset |
Employer Aggregate Rating |
給与推定額 |
Event |
ファクト チェック |
よくある質問 |
ホーム アクティビティ |
ハウツー |
画像のライセンス |
Job Posting |
職業訓練 |
ローカル ビジネス |
Logo |
Movie |
Product |
Q&A |
Recipe |
クチコミ抜粋 |
サイトリンク検索ボックス |
ソフトウェア アプリ |
Speakable |
定期購入とペイウォール コンテンツ |
Video |
たとえば、全国を対象にするリード獲得が目的のBtoBのサイトであれば、Article、パンくずリスト、Event、よくある質問、ハウツー、Logoなどが対象になりやすいかと思います。BtoBのサイトでも規模が大きくなれば、サイトリンク検索ボックス、定期購入と北ウォールコンテンツ、Videoなども対象になるかもしれません。
チェックリストの情報は必要最低限になるようにします。長くなると確認するのに時間がかかりすぎますし、抜け漏れが発生しやすくなります。
Webサイト構築と運用・更新のフェーズで異なるチェックリストを用意してもよいでしょう。たとえば、URLやcanonicalの設定などは仕様を決めるときには必要ですが、機能の追加開発がされないコンテンツを足していくだけのWebサイトの場合にはチェックリストに含める必要はないでしょう。
チェックリストの徹底とメンテナンス(更新)が必要
チェックリストの利用が定着するまで指導や管理監督をする人がいないと、使われなくなるか、間違った理解のまま意図した作り方と異なる方法が定着してしまうことがあります。作ったあとに説明会を開催して理解をすすめる、しばらくは公開されたページでルールが守られているかを確認するといった地道な活動が必要です。
また、検索エンジンの仕組みは日々変わるので、チェックリストはメンテナンスします。気がついた点を随時修正していくことで、もったいない作業を減らせます。間違ったルールのまま運用が継続されると、その期間分だけ機会損失が発生します。
Googleアナリティクスやサーチコンソールなどのデータをもとにチェックリストの改善PDCAをまわしていきましょう。