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ドメインパワーとは?チェック方法と上げ方【SEOに影響】

2023年8月21日

「ドメインパワー値が高いとSEOに好影響を与えるから、オウンドメディアで成果を出しやすい」といったような話を聞いたことはありませんか?

本記事では、よく聞く言葉であるにもかかわらず、明確な定義がされないまま議論されていることが多いドメインパワーについて解説します。

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ドメインパワー(ドメインオーソリティ)とは?

ドメインパワー(ドメインオーソリティ)とは「サイトの運営で使用しているドメインがどれくらい検索エンジンから評価されているのか」を示すも指標です。ドメインとは、“https://example.com/”のなかの“example.com”に該当する箇所のことで、URLで使われる一部を指します。

ドメインパワーの詳細について公開はされていないものの、以下のような要素で決まると考えられています。

・ほかのサイトから張られたリンクの数と質(被リンク評価)
・下層ページ含めた、ドメイン全体に掲載されている情報量と質
・サイト名、会社名、商品名、URLなどに対するSNSやブログなどでの言及数(サイテーション
・サイト名、会社名、商品名、URLなどに対する月間検索回数(指名検索回数
・運営期間
・運営者の知名度(SNSのアカウント、指名検索、サイテーションなどでわかります)

ドメインパワーはどうSEOに影響するのか

ドメインパワーは、SEO対策を行ううえで重要な要素のひとつです。検索結果での表示順は、コンテンツの質とドメインパワーとで決定されるといっても過言ではありません。

最近新しくドメインを取得して運営しているサイト、つまり運用期間の短いサイトはSEO対策のうえでは不利です。使われはじめたばかりで、ドメインパワーが低いサイトだと、どんなに入念な調査をして書いた渾身の長文記事を公開しても、たった数百文字しか書いていない大手企業のサイトに順位で負けてしまうことがあります。

あまりにもドメインパワーに差がついていると、コンテンツの質や量に関係なく、ドメインパワーの強いサイトが上位になってしまう仕組みになっています。

ドメインパワーが強くなればなるほど、SEOで有利になるため、コンテンツの費用対効果が上がっていきます。
Googleがコンテンツを評価するときの指標としてE-E-A-Tがあります。

E:Experience(経験)
E:Expertise(専門性)
A:Authoritativeness(権威性)
T:Trustworthiness(信頼性)

このうちのA:Authoritativeness(権威性)がドメインパワーに近い概念です。あるテーマについて使い知識を持っていると多くの人から評価されているドメインや会社や個人は権威性が高いと見なされ、検索結果で上位に表示されやすくなるのです。

ドメインパワーは一朝一夕で積み上げられるものではありません。上述したような要素で決定されると考えられるため、少しずつ獲得していくことになります。

ドメインパワーの調べ方は?

ドメインパワーをチェックするための指標として、
mozahrefssemrushNIELPATELなどの各種ツールで表示される

・DA(ドメインオーソリティ)
・DR(ドメインレーティング)
・Domain Score(ドメインスコア)

などが使われます。Googleが公式にドメインパワーに関するスコアを出しているわけではなく、あくまでもSEOのツールを販売している会社が勝手にスコアをつけているだけです。

mozは回数制限があるものの、会員登録すれば無料でドメインオーソリティ(Domain Authority)の指標を閲覧できます。

計測可能であり、かつすぐに数値がわかるためにこれらのツールの指標が使われていますが、これらのツールでは基本的に被リンクの質と量を参照し、サイテーションや指名検索回数などは考慮されていないと考えられています。クロールしているサイトの数もGoogleと比べれば少ないと考えられるため、参考値程度に思っておいた方がよいでしょう。

「これらのスコアが何点あればよいのか」と、目安を質問されることがありますが、ツールによって表示される数値が大きく異なっており、業種や企業規模によっても差があるため、一概に回答することはできません。自社のライバル企業が運営しているサイトのドメインを複数調べてみて、どれくらいのスコアなのかを比較すれば参考になるかもしれません。ビッグキーワードで上位になっているドメインほどスコアが高い傾向にあります。

ドメインパワーを上げる方法

では、ドメインパワーを上げるには、具体的にどのような施策を実施すればよいのでしょうか?

よいコンテンツを増やす

すべてのサイトに該当する施策として挙げられるのは「よいコンテンツを増やす」ことです。よいコンテンツが増えれば増えるほど、数多くのリンクが張られ、サイテーショされることも多くなります。仮にリンクが張られなかったとしても、良質なコンテンツがサイトに増えていくことはドメインに好影響を与えます。ひおとつのテーマについて、ほかのどんなサイトよりも情報が充実していれば、そのテーマに関連したキーワードで上位に表示されやすくなると考えられます。

ただし、専門性の高いBtoBのサイトなどの場合には、リンクやサイテーションが集まりにくいことがあり、この方法だけではドメインパワーを上げることが難しい場合があります。

露出(アクセス)を増やす

どんなに良質なコンテンツを公開していたとしても、誰にも読まれなければ、リンクが張られることはありません。露出を確保するという施策は、良質なコンテンツ同様ドメインパワーを上げるためにすべてのサイトが行うべきです。例えば、X(旧Twitter)などのSNSを運用することはコンテンツの露出を増やすことにつながるため、結果としてリンクやサイテーションを増やすことになります。

ひとつのドメインに集中させる

ドメインパワーは、可能な限りひとつのドメインに集中させることをおすすめします。複数のドメインで並行して別のサイトを運営してしまうと、コンテンツの量も被リンクの量も分散してしまいます。また、サブドメインにするよりもサブディレクトリにした方がドメインの評価を統一できます。例えば、example.comでブログを運営することになったときには、以下のようにサブディレクトリにすべきです。

○ よい https://example.com/blog/ サブディレクトリ
× 悪い https://blog.example.com/ サブドメイン

自然にリンクが集まるコンテンツを提供する

参照したくなるようなコンテンツを用意すれば、自然にリンクが集まります。

・さまざまなデータが掲載されている調査レポート
・チェックリスト
・テンプレート
・無料で使えるツール
・ノウハウがくわしく解説されたコンテンツ
・おもしろいテーマ、賛否両論があるテーマなど、SNSで話題になりやすいコンテンツ

過去のコンテンツを改善して品質を上げる

サイトに掲載されている一つひとつのコンテンツの品質がドメインパワーに影響してきます。過去に作ったコンテンツを改善し続けることで、ページの平均的な品質を引き上げていくことも重要な施策のひとつです。改善方法としては、例えば以下のようなものが挙げられます。

・不足していた情報を追記する
・冗長な表現や不要と思われる箇所を削って読みやすくする
・データ、図表、イラストなど理解を助けるものを追加する
・見出しをわかりやすくなるように設定し直す
・タイトルやディスクリプションを修正して、検索結果でのクリック率を上げる

サイトの更新頻度を上げる

サイトを頻繁に更新し、常に最新の情報を提供し続けることは、検索キーワードに対してユーザーの利便性を上げるものと判断され、検索エンジンから高い評価を得られます。上述した「過去のコンテンツを改善して品質を上げる」とともに、新しいコンテンツを定期的に投入し続けて、評価を上げることがドメインパワーを上昇させるために重要です。

ただし、ページに記載された「最終更新日」の日付だけを変えてみたり、特に意味があるとは思われないページの更新頻度を上げることは、上述した「よいコンテンツを増やす」とは逆の施策であり、サイトの評価を下げてしまうことがあります。ユーザーにとって有用なページを投入することによって、サイトの更新頻度を挙げなくてはいけません。

評価の低いサイトからのリンクを削除する

上述したように「自然にリンクが集まるコンテンツを提供する」ことは、ドメインパワーを上げるのに有効な施策ですが、張られたリンクがすべて評価の高いサイトからの良質なリンクとは限りません。例えばスパムサイトなどの評価の低いサイトからリンクが張られると、被リンクサイトである自サイトもGoogleから低い評価を受けるおそれがあります。リンク元のサイトに、リンクを削除してくれるように依頼するか、何らかの理由でリンクの削除をしてもらえない場合には、Google Search Consoleで当該リンクを受けないように設定するかのいずれかの対応が必要です。

ユーザーエクスペリエンスを最適化する

Googleでは「Core Web Vitals」という指標によって、サイトのユーザーエクスペリエンス(体験)の健全性を評価しています。Core Web Vitalsは、

・LCP(Largest Contentful Paint):ページの表示速度
・FID(First Input Delay):ユーザーの応答性
・CLS(Cumulative Layout Shift):視覚の安定性

の各要素で構成され、それぞれが健全な値であることが求められています。これらの評価値はGoogleの提供するPageSpeed Insightsで確認できます。PageSpeed Insightsでは、「携帯電話」「デスクトップ」で個別の評価を確認できるようになっていることからもわかる通り、パソコンのデスクトップ環境だけでなく、モバイル環境でもユーザーエクスペリエンスの最適化を図ることが重要です。

なぜドメインパワーはSEOで重視されているのか

検索エンジンがなぜドメインパワーの高いサイトを優遇するかというと、不適切なコンテンツを上位に表示させないためだと考えられます。

一例を挙げれば、ある上場ベンチャー企業が運営する医療情報サイトの内容があまりにもひどいと、2016年末に社会問題化したことがありました。ガンなどの病名で検索した場合に上位表示されていた当該サイトの内容が間違いだらけだったことが判明したためです。さらに、ほかのサイトから無断でコピーした原稿や画像などが多数使われていたこともわかりました。当該サイトは驚異的なペースでコンテンツを投下し続けており、対象としている病名などのキーワードの範囲が広く、多くの医療機関の公式サイトや官公庁のサイトなどより情報量が多くなっていました。また、被リンクも主要な病名などで上位に表示されていることで急速に増えており、被リンクの量も多い状態になっていました。

もし被リンクやコンテンツの質や量が勝っているだけのサイトが上位になる仕組みであれば、こうしたユーザーの命にかかわるような間違った情報を含んだサイトも上位表示され続けてしまいます。そこで、指名検索回数やサイテーションの量などを組み合わせて評価指標とすることで、急速に成長したものの、間違った情報を掲載しているサイトを上位表示しづらくしていると考えられます。

問題のあるコンテンツを上位に表示するのを防ぐため、たとえ良質なコンテンツを掲載していても新興のサイトは上位に表示されにくくなっており、運営実績のある大手企業のサイトが優遇されています。実際、大手企業サイトの方が広告の表現やコンプライアンスなど社内のチェック体制がしっかりしていることが多く、明らかに誤っているコンテンツは掲載されづらいでしょう。ただ、大企業運営の昔からあるサイトがすべての新興企業運営の新しいサイトよりきちんとしたコンテンツを掲載しているかというと、当然そんなことはありません。新興企業でも中にはしっかりとした調査や監修などを入れることで問題のない大手企業よりも品質の高いコンテンツしか掲載していないところもあります。本来はそうしたサイトが上位に表示されるべきですが、問題あるページを表示させようとするサイトを防ぐために必要な措置として、現状のアルゴリズムが採用されていると思われます。

この仕組みが特に役に立つのは、YMYL(Your Money Your Life)と呼ばれる、売買、金融、健康・医療、政治・政策、災害情報、法律などに関連した人々の生活を左右する情報を扱うページの評価です。これらのページは誤った情報が掲載されていると、健康や金銭的な被害をユーザーに及ぼしてしまいます。そのため、本来上位に表示されるべき良質なコンテンツの表示順が多少、下がってしまったとしても、問題のあるコンテンツを排除することを優先させざるを得ない事情があるのではないでしょうか。

まとめ

ドメインパワーはSEOで集客するうえでは非常に重要な要素です。オウンドメディアを立ち上げるときにどのドメインで開始するかによって、成功確率は大きく変わってしまいます。本記事でぜひとも持って帰っていただきたいポイントは「ドメインはなるべくひとつだけを使い、そのドメインにリソースを集中して、成長させていく」ことです。多くの企業ではすでに運営しているWebサイトがあるはずですから、その下にサブディレクトリを作る形でオウンドメディアを構築するようにしてください。別ドメインにすると大きなマイナスになります。

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毛塚 智彦

この記事を書いた人

毛塚 智彦

2006年からデジタルマーケティングを開始し、2008年にサイトエンジンを創業しました。 SEO、コンテンツマーケティングが得意です。立ち上げた直後のメディアから、数千万PVあるようなポータルサイト・ECサイトまで、幅広く関与してきました。 業務ではマニュアル作成などの仕組みづくり、事業立ち上げ、採用などを担当しています。 Twitter

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