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6,000人が応募したライター募集で学んだライターの採用方法と着眼点

2020年12月27日

コンテンツ制作の事業をしているとよく聞くのが「思ったようなライターが採用できない」というお悩みです。よくよく聞いてみると、望むようなライターが採用できない理由が、ライターに対する着眼点の問題だと感じることがよくあります。そこでサイトエンジンが運用するかくたまが、6,000人のライター応募を通して学んだ採用方法と着眼点を紹介したいと思います。

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ライター採用時のイメージ違いの原因はライターに求めるものの要件違いにある

なかなかライターの採用がうまくいかない原因の一つが要件違いです。
ライターに求められる条件には以下のようなものがあります。この中から製作するコンテンツに必要な要件を選択していくことになります。

  • 読みやすくわかりやすい文章を書ける
  • レギュレーション(案件のライティングルール)に合わせたライティングができる
  • テーマに関してしっかりと調べられる調査能力がある
  • 読み手に対して伝えるべきことをしっかりと理解できる
  • 読み手を楽しませる表現力がある
  • テーマに関する専門的な知識がある
  • ライティングが早い
  • テーマに関する豊富な経験がある
  • ライティングに当たって必要な著作権などの法的知識を正しく有している
  • CMSアップなどの不随作業をするために必要な知識や経験がある
  • SEOの知識がある

これらのライターに求める条件は、自社の制作体制やコンテンツの内容により変わります。すべてを満たす必要はありません。次々と情報を更新するようなものであればライティングが早いことが条件の一つになります。エンターテイメント系でエモーショナルな文章を使いたいコンテンツであれば表現力の高いライティングが要件になります。様々な機関の情報を集積したコンテンツであれば調査能力が要件となります。予算によっては「安く書ける」という条件が加わる場合もあります。採用がうまくいかない場合は、こうしたコンテンツ制作に必要な要件と、ライターに求める条件があっているかを見直してみましょう。

よくあるのが、「○○に詳しいライター」という条件です。特にBtoBビジネスを展開する企業からは、「自社の業界に関して詳しい人や、もともと知見のある人に書いてもらいたい」というご希望をいただきます。

しかしよく聞くと、制作するコンテンツは「○○に詳しくない方に知識のない方でもわかるようにわかりやすく説明をするコンテンツ」だったりします。専門家が専門家に関して意見や情報を発信するサイトでは無ければ、ライターに専門の知識は不要である場合が多いです。調査が得意で、理解しやすい文章を書くライターに依頼し、必要な知識に関しては専門家であるクライアント様が補足情報を伝えるなどして、一般の読み手の視点で内容をかみ砕いてライティングしてもらったほうが、知識のない方が見てわかりやすいコンテンツが出来上がります。元記者の方や、様々な書籍を編集したことのあるライターなどがこうしたスキルを有しています。

知識豊富な専門家や、有資格者に依頼して、内容が難しくわかりにくくなったり、文章が拙く読みにくい原稿が出来上がったりする場合があります。これは「資格や専門知識」という条件が重視され、わかりやすく文章を書く、という条件を満たさない採用をした際に起こるエラーです。元弁護士、元獣医、など、その専門知識を持っていた方だとしても、読みやすくかけるかは知識とは別のスキルなのです。専門的知識が必要であれば、ライティング前の構成案の段階で専門家に意見をもらったり、書き上げたものに対して監修者としてチェックしてもらうのもよいでしょう。
事例紹介やシミュレーションをのせるような投資や資産運用のコンテンツであれば、専門的な知識や経験が必要になります。こうした経験や知識、資格を重視するのであれば、文章修正が得意な監修者や編集担当者を用意することで内容のわかりやすい専門的なコンテンツを作ることもできます。

SEOの知識の有無に関しても同じです。SEOの担当者がいて、テーマ選定、キーワード選定、見出し構成などを考える際にSEOを考慮して作っているのにもかかわらず、ライターにもSEOの知識を求めているケースがあります。しかし、SEOの担当者がいるのであれば、その指示内容をレギュレーションとしてしっかりと踏まえてかくことができるスキルが重視されます。SEOコンテンツを制作するからといって、ライターにSEOの知識が必須とは限らないのです。

まずは自分たちがライターに求めている要件が本当に会社にとってメリットのある条件なのかを確認する必要があります。

ライターテストでチェックするポイント

テストによるチェック

かくたまで行うライター採用のテストには2つの視点があります。

  • 文章力のチェック
  • レギュレーション(執筆ルールの理解力)順守に関するルール

です。

1.文章力があるかどうかのチェック

かくたまでは特に主語と述語の関係や、破綻した論理構成になっていないかをチェックします。誤字脱字がないかもチェックしますが、誤字脱字は高い確率で機械的に検知できます。その為、改善の余地が大きな項目です。しかし、前後の文章がつながらない破綻した文章を書いてしまうと、文章そのものの修正が必要になってしまいます。

一文一義を意識したライティングができるか、係り受けが適切なライティングができるかを特に重視しています。

※係り受け
前文と後文、修飾語と被修飾語、主語と述語などのつながり。
NG例:廃棄してしまう方はあまりいないと思いますが、修理に出したり、部品を買い足すあなたの対処法、本当に適正な価格でしょうか。
対処法と価格という別の内容に関する係り受けになってしまっている。「対処法」には「正しい」「間違っている」「適切」「適切ではない」などが続く。

2.レギュレーション(執筆ルールの理解力)が守れるかどうかのチェック

かくたまのテストでは、ライティングの前にいくつかの制約を与えてライティングを行ってもらうことがよくあります。文章の長さ、NGワード、情報の引用元、文末の結び方、コンテンツに入れるべき内容や入れてはいけない内容など、ルールを課したうえでルールに従ったライティングができるかをチェックします。小説やシナリオを大量に書いていて、表現力や文章力が高くとも、レギュレーション通りに書くことができない、という方もいるのです。

こうしたレギュレーションはその業界の法的な制約を基にしたものであったり、メディアの方向性を統一するためのものだったりと、とても重要な場合が多くあります。レギュレーションを踏まえたライティングができない方は、注意力がなかったり、依頼内容に真摯に向き合えない場合が多く、ライティングはうまくともパートナーとして長期でお仕事をするのが難しいケースが多いのです。

その為、レギュレーションエラーの数をチェックしたり、文章中のレギュレーションエラーの個所をいくつ見つけられるかテストして、指示に対する理解力をチェックしています。

ポートフォリオや自己PRの罠を避ける採用時の着眼点

自己PRのチェック

ライター採用の際に、ポートフォリオや、過去のライティングの事例、経歴、自己PRを拝見することがあります。かくたまでは以下のようなポイントに着目をしています。

1.案件の大量PRは注意 同様案件の継続期間をチェック

かくたまで採用時に特に注目しているのは同じ案件を継続で受注しているかです。例えば「○○のメディアのコラム担当 ○年〇月~」のように特定の案件を継続して受注している場合、そのメディアで必要とされるライターの条件を満たし、依頼者、そして依頼者のターゲットとしている読み手の支持を得られているライター、という見方ができます。
単発の案件を大量にこなしている場合、ただ経験が豊富な方というわけではなく、文章力が足りなかったり、レギュレーション順守ができず継続的なライティングを依頼できない方、という可能性もあります。

ライターとしての経験年数に対してライティングしている案件の種類が多い方には、最も長期でライティング携わった案件にはどのようなものがあり、どれくらいの期間かを伺います。

2.公開されている過去のライティング事例に注意!注目すべきはブログやSNS

メディアや書籍などの過去のライティング実績として公開されている文章を送ってくださる方がいらっしゃいます。しかし、公開されている文章は校正者や、そのメディアの責任者などによる手直しが入っている可能性があります。どれくらい修正がされたかわからないため、採用時の判断とすることはありません。
第三者の修正が入らないような個人ブログ、FacebookやSNSなどの文章は重視するポイントとしてよくチェックをします。特に自身にとって得意なことや書きやすい内容を書いている場合が多いので、そこでわかりやすい魅力的な文章を書いているかどうかは重要なチェックポイントです。

3.情報収集の方法に着目

「SEOライティングができます」「○○に関する知識があります」「○○のライティング経験があります」という自己PRがよくありますが、その知識やスキルを図るのは容易ではありません。採用側と採用される側でそうしたスキルレベルのレベル感のすれ違いはよくあります。そうしたすれ違いを少しでも防ぐために、どのような方法で情報収集や継続的な勉強をしているかを確認します。例えばSEOであれば有名な情報メディアがたくさんあります。メディアの情報の専門性や、情報の傾向を知れば、SEOに関するレベル感を推測することができます。SNSなどから情報収集しているのであれば、どんな方をフォローしているかを聞くのもいいでしょう。

たとえ過去にその業界に所属していたり、勉強をしたことがあったとしても、それらの知識やスキルが現状も通用するかどうかは別問題です。どのように情報収集をしているか聞いて、レベル感の参考にしてみましょう。

ここで紹介したライター採用の際の着眼点やテストの方法は、かくたまで長らく試行錯誤を繰り返しながら得たものです。しかし、これらの内容だけで素晴らしいライターを採用できるわけではありません。ライターが自身の真価を発揮できるように、発注側が環境を整えることも重要です。わかりやすくレギュレーションを整備したり、ライターに不要な作業をできるだけ省いたり、書いてほしい内容を的確に伝えたりといった発注者側の取り組みも必須なのです。わかりにくいレギュレーションを提示して「レギュレーションを守ってくれない!」と主張していれば、素晴らしいライターを失うことになりかねません。

皆さんが素晴らしいライターと出会えることを願っています。

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橋本直矢

この記事を書いた人

橋本直矢

メディアディレクター/SEOコンサルタント 雑誌広告、ECなど紙媒体とデジタル双方でリッチコンテンツの制作に10年以上携わりました。出版社の紙媒体からデジタル媒体への移行や、採用系メディア、医療、IT、金融、投資など幅広いメディアのディレクションを担当しています。

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