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Webライティングのレギュレーションとは? ライター記事執筆のルールを解説

2023年2月8日

レギュレーションとは

本記事では、企業がライターに記事執筆を発注する際のレギュレーション(執筆のルール)について解説しています。記事執筆のガイドラインとなるレギュレーションの作成は、サイトの質を維持する上でも有効な手段です。

  • 「ライターに外注しても、思っていたような記事があがってこない」
  • 「自社運営のサイトに掲載する記事の品質を安定させたい」
  • 「ターゲットの読者に届く記事を作成したい」

このようなお悩みをお持ちの企業様は、ぜひ最後までお読みください。

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レギューション(執筆ガイドライン)の作成が必要な理由

以下からは記事執筆のためにはレギュレーション作成が必要な理由について解説していきます。

ライティングの品質を安定させるため

レギュレーション

レギュレーションとは、ライターが記事を執筆するときのルールのことです。メディアのターゲットイメージや目的、 記事の雰囲気や文体、 記事の方向性を明確化し、文章に起こしたレギュレーションは、ライターのみならず、SEO担当者やディレクターにとっても指針となるものです。

もし、レギュレーションがなければ、関係者の間で高い品質の記事のイメージが統一されません。ある人にとってはすごく良い記事なのに、別の人は気に入らないといった好みで良い悪いが判断されるようになってしまいます。

継続的にコンテンツを制作するオウンドメディアの運用では、製作する記事ごとのクオリティのブレを減らすことがとても重要です。複数のライターを使う場合は同じようなスキルをもったライターを使っていても、明確なレギュレーションが無ければ書く内容にブレが出てきてしまいます。文章が綺麗でも、目的にそぐわないコンテンツができてしまったり、誰に向けて書いてある記事なのか読み手がつかめない内容になってしまったりします。

  • 「ライターごとにクオリティがバラバラだ」
  • 「ライターによってこちらの意図を理解してもらえない」
  • 「ターゲットに合わないトーンの原稿が上がってきてしまう」

といった悩みは、メディアのルールが明確化されていないことが原因の場合がほとんどです。

レギュレーションに盛り込むのはメディアのコンセプトやターゲット、メディアの目的、記事のトーンや書き方、NGワードや統一表記、文字数、見出しの指定、差別用語や盗用の禁止、製作の流れやそれぞれの担当者の仕事と責任などです。問題が起こった際に誰に確認を取ればいいのかなどもわかるようにしておきましょう。

またレギュレーションをガイドラインとして配布しておくことで、文章のトーン&マナー(トンマナ)や品質が安定します。

画像の選定も依頼するときには、その方法や選定基準が記載される場合もあります。 同一のサイト内で、ある程度、記事の品質やテイストを一定化させることは、ターゲットへの訴求力を高め、目標とする成果を得るために必要です。逆に、質やテイストがバラバラの記事ばかりだと、読者を困惑させてしまうことは想像に難くありません。

修正の手間を抑えるため

また、執筆するライターの力量次第で、記事の品質に差が生じ、校正者ごとに、修正点が違ってくることも考えられるでしょう。修正に手間がかかると、記事をサイトにアップするまでに、多くの時間を費やしてしまうことになりかねません。 レギュレーションによって、記事の方向性やルールを明らかにすることは、修正にかかる手間を省き、コンテンツの品質を維持する上でも有効と言えます。

Webライティングレギューレーションの作り方のポイントとコツ

レギュレーションのポイント

Webサイトの目的や執筆ルールが伝わりやすいレギュレーションは、ライターにイメージ通りの記事を作成してもらうために重要です。以下では、レギュレーションの作り方のポイントやコツを挙げていきます。

記事作成の目的を明確にする

記事の目的に沿って、絶対に入れて欲しい要素を明確に提示します。そうしないと後で大幅な修正が生じ、お互いに時間の損失となってしまいます。これらの点において共通の認識がとれていれば、納品される記事の方向性が大きくズレることは少なくなるでしょう。

ターゲット(ペルソナ)を明確にする

ペルソナと呼ばれるターゲット像を明確にします。どのようなメディアに掲載する記事にも、必ずターゲットと記事の目的があるはずです。共通のターゲットを想像できるので、依頼側の意図をライターや校正者に理解してもらう上で有用になります。ターゲットの設定が曖昧だと、漠然とした記事の寄せ集めになりかねません。

ペルソナの設定では、以下のような項目を決めていきます。

  • 年齢
  • 性別
  • 家族構成
  • 職業
  • 年収
  • 趣味
  • 悩み
  • よく見るテレビ番組や雑誌
  • よく使うSNS
  • その他触れる機会が多いメディア
  • どんな記事なら自社の商品やサービスの購入につながるか

こういった項目を徹底的に洗い出します。既存の読者や顧客の情報を参考にしたり、今後想定したい読者像を考えてみたりすると、リアリティのあるペルソナとなります。 ペルソナに向けた記事の作成は、ターゲットへの訴求力が高いWebサイトを作ることにもつながります。依頼側の意図を、ライターや校正者に理解してもらう上でも有用です。

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参考URLや関連データを送る

全ての情報収集をライターに任せると、思っていた内容と違う記事があがってくることも考えられます。参考にしてほしい情報元をレギュレーションに組み込むことで、ある程度、記事を方向付けることも可能です。

逆に参照にしてほしくないサイトをレギュレーションに記載する方法もあります。 検索で調べられる情報以外にも、取材やインタビューの内容、お客様から企業に寄せられた商品の感想や質問、書籍やパンフレットなどの情報があれば、より説得力のある高品質な記事作成の助けとなります。

また文章のトーン&マナー(トンマナ)は、記事の雰囲気を左右する重要な要素です。例えば「ですます調で」という指示だけだと、硬い感じなのか、それとも多少くだけてもいいのか、という微妙なところまでは伝わりません。そこで参考となるURLを提示することで、ライターに「このような雰囲気で書いてほしい」というニュアンスを伝えることができます。

他にも、統計データなどで使えるものがあれば、一緒に送っておきましょう。特に経済や医療系などの記事では、具体的な数字が提示されていると記事の信頼性がグッとアップします。使いたいデータがある場合は、記事に組み込むように指示しておくと、ライターとしても書きやすくなります。

まとめると、参考にしてほしい、または参考にしてほしくない情報源を記載する、検索以外の情報があれば盛り込む、画像の選定基準を記載する、となります。

SEOコンテンツとしてどのような目的を持つのか決める

一口にSEOコンテンツと言っても、その目的は異なります。例えば、ページビュー(PV)数のアップや潜在顧客の獲得を目指すもの、購入などのアクションを促すものなどがあります。目的に応じて記事の内容を変化させる必要もあるため、レギュレーションには、SEOライティングの目的も明記しておいてください。

たとえばキーワードがチョコレートだった場合、「チョコレート おすすめ」で表示される記事は商品の購入。
「チョコレート カロリー」で表示される記事はページビュー数のアップ。
というようなそれぞれの目的になるので、この記事はこういう目的があるから、こういうキーワード入れるのを意識してね!という内容をレギュレーションに明記する、ということが必要になります。

入れてほしいキーワードを指定する

SEO対策として、キーワードを指定しておきましょう。「このキーワードで上位表示させたい」という単語をいくつか選びます。ただし無理にキーワードをねじ込む事によって、文章が不自然にならないように注意も必要です。キーワードはやみくもに多く使えば良いというものではありません。情報をよく網羅し、ユーザー視点で疑問をきちんと解決できる記事になっていれば、自然と検索順位は上がってくるでしょう。

サジェストキーワードも盛り込む

さらなるSEO対策として、記事になるべく入れてほしいサジェストキーワードも挙げておきます。サジェストキーワードとは、Google(またはYahoo)などの検索窓に単語を入力した際に、過去の検索頻度などから自動表示される「一緒に検索することを提案(サジェスト)するキーワード」です。

例えば「お歳暮」と検索すると、「人気」などのサジェストキーワードも共に表示されます。この場合、「お歳暮」と検索したユーザーは「人気のお歳暮」などについて知りたがっていると判断できます。サジェストキーワードは、ライターが執筆を進めていく上での道標となり、ユーザーが満足するコンテンツの制作に繋がります。

基本的なタグの使い方を決める

Webライティングでは、大見出し、中見出し、小見出しなどの見出しが用いられ、そのサイトによっては、使用する種類や個数が限定されている場合もあります。HTMLにおいて、段落を表すpタグや見出しにつけられるhタグは、頻繁に使われるものです。ライターや校正者にも基本的なタグの使い方を理解しておいてもらえば、サイト運営がよりスムーズになるでしょう。

ある程度、経験のあるライターであれば知っているかと思いますが、基本的なことこそないがしろになりやすいので、リマインドのためにもレギュレーションに書いておく方が無難です。

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NGワードを明記する

その記事で使用してほしくないNGワードは、レギュレーション内で一覧にまとめておきます。ライターや校正者に注意を促すことができて、修正を減らせます。NGワードには、差別用語や法律に抵触する表現なども含まれます。

今の時代、そんなのも差別なの?と思われるような言葉もこっそり差別用語化していることがあるので、しっかり調べておきましょう。

表記統一ルールを決める

Webサイト内、もしくは記事内では表記をそろえるのが一般的です。サイトイメージの統一や、読者の混乱を防ぐ目的で行われます。 具体的には、文末を「ですます調」にするか、「である調」にするかに加え、「お客様」と「お客さん」、「子供」と「子ども」といった頻出する単語の使い分け、「事」、「物」などの形式名詞を漢字にするか、ひらがなにするかなどを指定します。

これは結構目につくことが多いです。「神は細部に宿る」とも言われているので、以外と徹底した方がいい部分なのかもしれません。
表記に迷った場合は、共同通信社の「記者ハンドブック」を参考にしてみてください。

「~のような」など曖昧な表記を避ける

レギュレーションはメディアの方向性や価値観、認識をそろえるためのものです。できるだけ感覚的な表現を避けましょう。よくあるミスが以下のようなあいまい表記です。

  • 「女性が語り掛けるような文章でライティングしてください」
  • 「友達同士のような親しみのある文章を心掛けてください」
  • 「読んだ人が納得するような文章を書いてください」

これでは携わる人によって文章や構成、文章のトーンなどが変わってしまいます。どのような語尾を正とするのか、納得してもらうためにどのような文章構成を意識するのか、などを明確にルール化し、だれが見てもわかるようにしましょう。

レギューションを改訂しながらいいものを作る

レギュレーションは、改訂を加えながら、使い続けていくことが理想です。サイト運営をしていると、その質を維持し、より良いものにするため、変更や新ルールの設定に迫られる場面が出てくるでしょう。出来上がってきた記事を確認しながら、必要に応じて、ブラッシュアップしていってください。 その際には、ライターだけでなく、校正者や記事作成の関係者に、変更内容がしっかりと周知されるように配慮しましょう。

高品質なコンテンツを作成し続けるためには、ガイドラインとなるレギュレーションの存在が欠かせません。記事作成に必要なポイントを押さえたレギュレーションは、修正にかかる手間を省き、イメージ通りのサイトの実現を助けます。サイト作りにレギュレーションを取り入れ、ぜひビジネス拡大の足掛かりに役立ててください。

レギュレーションと同様に記事品質を安定させるために重要な校正・校閲について以下で解説しています。

関連記事:Webメディアでの校正・校閲とは?校正者が語る作業内容と必要スキル

記事のクオリティを最大化するためのコツ

上手にレギュレーションを書くことのほかにも、ライターのモチベーションを引き出し、記事のクオリティを上げるコツがあります。以下で、2つのコツについて解説します。

良いライターには継続発注する

仕事を依頼して良いライターと巡り会えたら、できるだけ継続して発注することで信頼関係を築いていきましょう。定期的に仕事をもらえることで、ライターとしても安心感が生まれ、仕事のモチベーションが上がります。また発注側としても、「この分野なら〇〇さん」というお抱えライターがいると、似たような案件で一からライターを探さなくて済みます。

ライターの成長に合わせて報酬を設定する

外部のライターに依頼する場合、自社ライターと違って、なかなか「育てる」という目線にはなれないかもしれません。しかし継続して仕事をしたいと思うライターであれば、読み手目線で丁寧にフィードバックすることで、育てていくことをおすすめします。

ライターにとって、客観的な視点から意見をもらえることは貴重な機会です。時には厳しい意見であっても、特に駆け出しのライターには良い肥やしとなることも多いはずです。

そしてライターが成長してきたと感じたら、迷わず報酬を上げましょう。そうした繰り返しが信頼関係に繋がり、ライターもやりがいを感じて期待以上の仕事をしてくれるようになるでしょう。もちろん、最初から質の高い仕事をしてくれるライターなら、すぐに見合った報酬に引き上げます。仕事をしやすいクライアントだと感じてもらえるでしょう。

レギュレーションなしの曖昧発注に注意

指示書を書くのは面倒なので、まずはライターに一度書いてもらって、直してほしい箇所だけ指摘すればいいのでは?と思う方もいるかもしれません。でもこの方法は、特に外部ライターに発注する場合、発注側・ライター双方にとってマイナスになります。

自社でライターを雇用している場合は、口頭でも指示や修正依頼ができ、ライター側としても疑問点をすぐに解決できます。しかし外部ライターに発注する場合だとそうはいきません。ライターによっては、連絡がなかなか取れない可能性もあります。仮に経験あるライターだったとしても、発注側の意図も分からないまま、手探りで書き始めることになります。

どうせ修正が入るという気持ちで記事を書くのでは、クオリティの高い記事は望めないでしょう。そして、結局修正の繰り返しになると、お互い時間の損失になる上、ライターのモチベーションも下がる一方です。双方が気持ちよく仕事を進めるために、面倒がらずに必ず指示書を書きましょう。

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橋本直矢

この記事を書いた人

橋本直矢

メディアディレクター/SEOコンサルタント 雑誌広告、ECなど紙媒体とデジタル双方でリッチコンテンツの制作に10年以上携わりました。出版社の紙媒体からデジタル媒体への移行や、採用系メディア、医療、IT、金融、投資など幅広いメディアのディレクションを担当しています。

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