コンテンツ制作に重要なのは、実際に文章作成をするライターの能力だけではありません。その依頼者のアプローチも、記事の品質やプロジェクトの進捗に影響を与えるため、依頼の仕方や、ライターとのかかわり方を考えることが大切です。この記事では、かくたまライターの目から見た文章作成依頼のコツ、ライターとの良好な関係の築き方、そして、過去最高に助かった依頼方法についてご紹介します。
かくたまライターが考える文章作成依頼のコツ
社内だけでの自社メディアコンテンツ制作に行き詰まっているマーケティング担当者は少なくないでしょう。そんなときは、文章作成を外注するのがひとつの解決策ですが、それをおこなうにあたってはいくつか押さえたいコツがあります。まずはそんな文章作成依頼のコツを、以下に3つご紹介します。
文章作成依頼のコツ1:業者を見極める
外注することを決めたら、依頼先を探すことになります。その最も手軽な方法として、クラウドソーシングサイトでフリーランスのライターを探して依頼する方法が挙げられます。しかし、クラウドソーシングサイトにおけるライターの質は、それこそピンキリといえます。個人ブログの延長のようなライターからプロフェッショナルライターまで在籍しているため、レベルを見極めるだけでも一苦労です。
もう一つの選択肢として、SEOやコンテンツ制作を得意としている業者に文章作成を依頼するという方法があります。事業としてしっかり取り組んでいる業者であれば、クラウドソーシングで片手間な対応をしているライターより、信頼はおけるでしょう。しかし、業者によってはこちらが期待するサービスを提供していなかったり、サービスの質が低かったりする場合もあります。そのため、依頼の前にはまず見極めが重要になります。
業者を見極めるためには、まず作業内容を把握しましょう。作業内容はそれぞれの業者により異なり、例えば料金にライティングしか含まれていない業者もあれば、ライティングだけでなくテーマの提案から校正まで含まれる業者もあります。これを先に確認しておかないと、自社の負担が思ったよりも減らせない可能性があります。
また、有料でテストライティングを依頼できる業者もあります。テストライティングは、サービスの質を判断するひとつの目安になります。早く正式に発注したいかもしれませんが、あとで質の悪さが発覚するといった事態を防ぐために、できるだけテストライティングは依頼したほうがよいでしょう。
文章作成依頼のコツ2:明確な目的や顧客像・テーマの設定
早くプロジェクトを進めたいあまり、記事の目的やターゲットとなる顧客像、コンテンツのテーマを明確に指定せずに、文章作成を依頼してしまうことがあるかもしれません。しかし、これは得策とはいえません。
自社のマーケティングに関わる記事ですから、自社のビジネスのターゲットとなる顧客はどんな人か、またそれに基づいてどんなテーマにするのかを明確にすることが大切です。特に、ターゲットを明確に設定してコンテンツを作らなければ、効果的にアピールできず、心に響かない内容になりかねません。また、これらの情報が依頼先の文章作成者に伝わらなければ、期待する品質の文章には仕上がらないでしょう。
自社商品やサービスの顧客を細かく分析し、典型的なユーザーとして、架空の顧客像(ペルソナ)を設定してみましょう。ペルソナを設定するためには、これまでのビジネスで収集したデータを使用することはもちろんですが、予算や時間が許す範囲で新たなリサーチを行ってもいいでしょう。そしてペルソナを設定したら、そのペルソナが求めているテーマを考えます。商品やサービスを購入してくれる可能性の高い顧客が、特に興味を持ちそうなテーマを取り上げましょう。
ペルソナについてもう少し知りたい方もいらっしゃるかもしれません。そんな方は、こちらもご覧ください。 (参考:記事作成に重要な「ペルソナの作り方」〜読み手の心を動かすための方法〜 | かくたまコンテンツ制作ブログhttps://www.siteengine.co.jp/blog/persona2019/ )
文章作成依頼のコツ3:ライターが苦労する発注パターンは避ける
外部ライターに文章作成を依頼する場合は、期待する品質で納品してもらうために、ライターが苦労する発注パターンを避けることもコツのひとつです。特に、明確な指示がない作業依頼は、ライターが苦労する発注パターンといえます。例として、タイトルとキーワードだけを伝えて「このテーマでざっくり書いてください」というケースが挙げられます。ライターはここから、インターネットの情報や、自分の持っている知識を頼りにライティングを進めていきますが、正直これだけの指示では、具体的にどのようなコンテンツを期待されているのか測るのに苦労します。そうするとなかなか内容を深掘りできず、その結果、何かアピール力の欠ける、当たり障りのない記事ができあがってしまう可能性があります。
このように、ライターが苦労する発注パターンでは、ライターに負担をかけるだけでなく、自社としてもマイナスの影響を受けることが考えられます。発注の際は、なるべくライターの立場になり、期待する内容の記事をスムーズに書いてもらえるかという観点も持ちながら、指示の出し方を考えることが大切といえます。
以上、文書作成をする依頼するときのコツをご紹介してきましたが、コンテンツ制作は一度で終わるわけではなく、継続的におこなうことが想定されます。そうなると、ある程度長期にわたるパートナーとして、ライターと良好な関係を築くことも重要になってきます。
ライターと良好な関係を築くには
コンテンツマーケティングを始める、もしくはすでに始めているというマーケティング担当者の方にとって、ライターと良好な関係を築くことは、なかなか難しい課題でしょう。せっかく時間をかけてライターを見つけても、関係が途切れてしまうケースもありえます。
ライターと継続的に、よい関係を築くにはどうすればよいのでしょうか。以下にそのためのアイデアをいくつかご紹介します。
発注の仕方を丁寧にする
ペルソナを含む記事の構成案を伝えたり、指示を明確に出したりと、丁寧な発注をするようにします。ライターの余計な負担を減らして、気持ちよく作業してもらえるようにすることがポイントです。
契約内容はしっかり伝える
ライティングに関する指示ばかりで、契約内容をしっかり伝えないという状況は、ライターを不安な気持ちにさせる原因になります。無用なトラブルを起こさないためにも、この点は気を付けたほうがよいでしょう。
ライターの得意分野を踏まえて相談
優れたライターであっても得意分野はあります。できるだけ得意分野の案件を相談するようにすれば、仕事を受けてもらいやすくなるでしょう。
コンスタントに発注する
コンスタントに文章作成を依頼することで、ライターとの関係は熟成されます。そうなれば、お互いに少ないストレスで仕事ができるようになるでしょう。反対に発注の間が空きすぎると、優秀なライターは他のクライアントからの仕事で埋まってしまう可能性があります。
かくたまライターが過去最高に助かった依頼方法
これまでにさまざまなメディアでライティングをしてきた経験上、ライターにとってやりやすい仕事はやはり、ライティングを依頼する前の準備がよくできています。某メディア制作業者との仕事では、ライターに仕事が回ってくる前の段階で、テーマやストーリーの流れがとても煮詰められていました。特にデータや資料を必要とする記事ではありませんでしたが、見出しごとに参考情報やURLが記載され、またクライアントのイメージするウェブサイトのサンプル画像が添付されていたことも大いに役立ちました。ライティングは正しい文章を書くことが大切ですが、トピックやウェブサイトのイメージに合わせて文体や字面を微調整することも大切です。サイトの公開が近く作業はタイトでしたが、事前準備のおかげでスムーズに納品することができました。
文章作成依頼のコツやライターと良好な関係を築く方法などについてご紹介しました。コンテンツ制作を外注する際は、業者を見極める、顧客像などを設定する、発注の仕方を考えることが重要です。また、ライターとの関係を継続的に、よい形で維持するためには、文章作成以外の情報伝達や、発注のペースも気を付けたい部分です。コンテンツ制作をスムーズにおこなっていくためには、信頼できるライターを見つけるだけでなく、自社がライターから信頼されるような依頼者となることも大切といえます。