コンテンツはサイトの中核を成す要素といえます。特に記事制作の企画はサイト運営の重要事項です。
コンテンツは、基本的にそれぞれユニークなものですが、大枠で考えると、いくつかのタイプが存在します。
今回の主なテーマは、そんなコンテンツのタイプごとの違いについてです。この記事で紹介する分類はあくまでも一例ですが、分類することと、それぞれの違いを理解しながら企画を立てたり執筆したりすることをおすすめしています。
社内のウェブ担当者など、記事制作に関わる方は参考にしてみてください。
コンテンツのタイプごとの違いを理解する意味
情報のタイプを知り、違いを理解することで、自社の狙いに合ったコンテンツを制作できます。コンテンツのタイプの違いは、言い換えれば、狙いの違いともいえるからです。
自社が制作する記事のコンテンツは何を狙っているのかを明確すれば、それに合わせてテーマ、方向性、構成などを考えられます。企画を効率的に進めることができますし、目的の達成に向けてより効果的な記事を制作できます。
特徴を知って違いを理解!コンテンツのタイプ3種類
以下、コンテンツのタイプ3種類について、それぞれの特徴を解説します。特徴を知り、他のタイプとの違いを理解しましょう。
バズ狙いの(拡散しやすい)コンテンツ
1つ目は、バズ狙いのコンテンツです。
バズとは、ある話題がSNSなどを通じて拡散していくことです。バズが起こることは「バズる」とも表現されます。
関連記事: バズるとは?意味や語源、今バズっている企業アカウントの紹介!
拡散によって注目が集まり、その話題が多くの人に知られることになるほか、バズる元になったコンテンツの閲覧数増加も期待できます。 バズは基本的に他力本願であるため、不確実性が高いといえますが、それを狙ったコンテンツを作ることはできます。
その場合、以下のようなバズるコンテンツの特徴を踏まえます。
- 読者の感情(笑いや感動など)を喚起する
- 有名人が関わっている
- 役に立つ情報である
- 議論を巻き起こす要素がある
バズ狙いのコンテンツでは、読者にシェアしてもらうことがポイントなので、そのアクションを引き起こすようなアプローチが重要といえます。
以下の記事もあわせて参考にしてください。
バズマーケティングの方法と効果 成功事例からバズる方法を学ぶ
SEO狙いのコンテンツ
2つ目は、SEO狙いのコンテンツです。
SEOは、「検索エンジン最適化」とも表現され、検索エンジンの検索結果で上位表示されるように調整することをいいます。
その大きな目的は、自社のサービスや商材などと関連するキーワードを検索してきたユーザーに、サイトをより多く訪問してもらい、コンテンツを閲覧してもらうことです。 検索結果は、検索エンジンによるサイトやページの評価で決まります。
そのため、SEO狙いのコンテンツを作る場合、この評価を意識することが大切です。サイトを上位表示したい検索キーワードを念頭におき、そのキーワードで検索エンジンからよい評価を得られるように、記事のテーマや構成などを考えます。
また、目に見える文章だけでなく、サイトの表面には表示されない「タグ」や、コンテンツ間のリンクも適切に使う必要があります。具体的にはタイトルやディスクリプションや見出し、関連ページへのリンクといった要素は最低限抑えておくとよいです。
記事の中身がまったく同じであっても、SEOに適したタイトルの付け方がされているかどうかだけで閲覧者数が大きく変わってきます。
以下の記事ではSEO狙いのコンテンツを作る方法を詳しく解説しています。
コンテンツSEOとは?メリットと始め方のガイド【ツールも紹介】
成約狙いのコンテンツ
3つ目は、成約狙いのコンテンツです。
ここでいう成約とは、ウェブマーケティングにおける成約のことです。ビジネスにおいて「成約」とは、主に契約が成立することを意味しますが、ウェブマーケティングにおいては、サイトの目的とするユーザーのアクションが達成されることも意味します。
例えば、ユーザーからの問い合わせを目的とする法人向けのサービスサイトにおいては、サイトの目的が達成されても、問い合わせが1件増えただけで契約の成立とはならないので、ビジネスの意味では「成約」したといえないでしょう。しかし、ウェブマーケティングでは、この目的、つまり問い合わせが達成されれば、成約したといえます。
成約狙いのコンテンツでは、いかに上手くユーザーを誘導して、成約につなげるかという点に重きを置きます。そのためには、ユーザーを惹きつける記事のテーマや、途中で飽きさせない文章構成、また特定のアクションを喚起するための導線の設置などが重要です。
コンテンツのタイプが2つ以上重なる記事もある
ある記事を制作する場合、そのコンテンツによる狙いはひとつとは限りません。
例えば、バズあるいはSEOによってコンテンツの閲覧数を増加させ、その中で最大限多くのユーザーに成約まで至らせたいというケースなどが挙げられます。
コンテンツのタイプが2つ以上重なる記事については、どちらの(どの)タイプも意識した、テーマや方向性、構成などを考える必要があります。
ただ、すべてのテーマが複数のタイプを兼ね備えることができるわけではありません。どうしても内容によって向き不向きがあり、バズりやすいけれども成約には至りにくいといったテーマもあります。
複数の要素を兼ねることができるコンテンツを作れないかを考えてみてください。業種や業態によって難易度は大きく変わってきます。
BtoCのビジネスをしている会社の場合、バズと成約を両立させることは比較的しやすいです。
一方で、BtoBでしかもニッチなものだと、なかなかバズと成約を両立させるコンテンツを作るのは難しいです。そもそも取り扱っている商品が一般の人たちに知られていないため、バズらせるためには商品からある程度離れたテーマでコンテンツを作らざるを得なくなるためです。
記事制作するにあたりコンテンツのタイプを選ぶ方法
記事制作するにあたり、どのコンテンツのタイプにするか悩むことがあるかもしれません。コンテンツのタイプを選ぶには、まず現状問題となっている部分を明確にすることが重要です。
例えば、サイトへの訪問は多く、コンテンツは十分閲覧されているのにも関わらず、期待するアクションをユーザーがおこさずに離脱しているのであれば、成約狙いのコンテンツでの記事制作を検討するとよいでしょう。
一方、そもそもコンテンツの閲覧数が少ないのであれば、バズ狙いやSEO狙いのコンテンツでの記事制作を優先したほうがよいかもしれません。
さらに、閲覧数が少ない理由が、検索エンジンの検索結果で上位表示されていないからなのか、すでに上位されているのにそもそも検索するユーザーが少ないからなのかによっても、コンテンツのタイプは変わってくるでしょう。
前者であればSEO狙いのコンテンツ、後者であればバズ狙いのコンテンツといった選び方ができます。
さらに、結果を出すまでの期間でも選択するタイプが変わってきます。たとえば今月中に目標売上を達成するためにコンテンツを活用するという場合、すぐに結果を出さなくてはいけないので、成約につながるコンテンツをつくってそこに検索エンジン、Facebook、Twitterなどの広告で人を集めるしかないかもしれません。
一方で2年後までの結果をトータルで見て費用対効果を判断するのであれば、まずは集客のためのSEOの記事を書くのがよいでしょう。毎月安定してアクセスが集まるような記事を用意すれば、時間がたてばたつほど費用対効果が高まります。
3ヶ月から6ヶ月程度の中期で大きな目標数値を達成するときには、バズを狙った記事が適しているかもしれません。逆にいうと、SEOだけで3ヶ月程度で結果を出そうとすると、よほどドメインの力が強いとか、会社が有名とかでない限り難しいです。
このように、目標数値とそれをいつまでに達成するかの期間で適したタイプは変わります。業種や業界ごとに正解があるわけではないのです。
コンテンツのタイプによってライターは分けるべきか
記事制作においては、作業を外部のライターに依頼することもありますが、コンテンツのタイプによって、作業するライターは分けるべきでしょうか。これについては様々な考え方ができますが、特定のコンテンツのタイプに関する経験やスキルが豊富なライターがいるのであれば、そのライターに任せるのが、合理的な方法といえるでしょう。
特にバズ狙いのコンテンツについては、読者の感情を喚起するような文章力が求められます。そのため、例えば文章の内容は二の次で、キーワードやタグを重視した、SEO狙いのコンテンツだけを手掛けてきたライターに任せられるかというと、少し疑問です。
反対に、バズ狙いのコンテンツだけを手掛けてきて、キーワードやタグを二の次にしてきたライターがいたとしたら、SEO狙いのコンテンツを任せられるかは、微妙なところでしょう。 ただし、ライターによっては、どのコンテンツのタイプでも一定程度の品質を出せる可能性も否定できません。
また、記事制作においては、コンテンツの要件を記載したレギュレーションをライターに提供するものです。このレギュレーションに、コンテンツのタイプに合わせた文章の要件を記載しておけば、ライターに知識がなくても、ある程度品質をコントロールすることができます。
さらにライター選びにおいては、特定のコンテンツのタイプが得意かだけでなく、執筆するテーマに精通しているかなども需要な要素です。
このような事情もあるため、コンテンツのタイプでライターを分けるのはあくまで選択肢のひとつとしておき、ライターの総合的なスキルや専門性、提供するレギュレーションの内容なども踏まえて、依頼するライターを決めるのがよいでしょう。