ペルソナやカスタマージャーニーマップを作ってみたが、あまりしっくり来るものにならないという方のために、インタビューをもとにこれらを作成して、情報設計やコンテンツ企画をしていく方法を紹介します。
1.購買データ収集
まずデータを集めましょう。以下のような情報を含みます。
- 属性別の売上、販売商品数、平均客単価
- 店舗別・サイト別の売上、購入者数、商品購入点数
- 商品別の売上、販売点数
- ユーザーからのお問い合わせやアンケート結果など
ほかにもすでにある参考になりそうなデータを社内の各部署から集めます。
GoogleアナリティクスやサーチコンソールなどのWeb解析ツールから得られるデータだけではなく、全社的な売上に関連する情報を集めます。リアル店舗のデータ、メールで送られてきた情報、自由記述のアンケート結果なども含めます。
2.データから仮説作成
データをもとにして、ペルソナとニーズの組み合わせを数パターン考えます。5W2Hを仮説ベースで整理します。
- なぜ(Why)
- 誰が(Who)
- 何を(What)
- どこで(Where)
- いつ(When)
- どのように(How)
- いくら(How much)
特に重要なのは、なぜ買うのか?の部分です。同じ商品でも属性によって理由が異なることがあります。
たとえば、パソコンは個人が趣味であるゲームをするために買うこともあれば、法人が業務用に買うこともあるわけです。同じ機種でも買う人によって目的が異なります。
データからなるべく多くのニーズを想像すると、いくつかの5W2Hを書き出すことができると思います。その中で特に売上比率が多そうな仮説を2~5程度選びます。
「こういう理由で買うこんな人が多いのではないか?」を考えて、その人たちがどのように情報収集しているかを調べます。
3.インタビュー
1.社内の営業やカスタマーサポートを担当している方や、2.顧客にヒアリングさせてもらいます。仮説から質問することを決めます。
ただ、インタビュー相手に「こういう人はいませんか?」と誘導してしまうと、それほど同じようなニーズを持つ人の数が多くないのにサービス精神でいろいろと話してくれて、ほかの話を聞けなくなってしまうかもしれないので、回答を制限しないような質問の仕方がよいです。
些細なことでも聞かせてもらいます。
質問例
- 顧客からよくされる質問や要望
- どの他社商品と比べられてなにが決め手となって購入されるのか
- 最近失注したときの理由
- 契約率の改善に寄与している効果的な説明の方法
- 自社の商品群のなかでどの商品とどの商品が比べられるのか
こういう質問をよくされるとか、この理由で買う人が多いといったデータからは読み取れなかった情報を集めていきます。
また、インタビューの内容はコンテンツのネタとしてそのまま使えるため、事前にインタビューさせていただく相手(インタビュイー)や広報担当の承認を得て、録音や写真撮影ができるとよいです。
4.仮説を修正して全体の情報設計
インタビューで聞いた内容をもとに、事前に想定していた5W2Hを修正します。その後、もっともマーケティングで効果のありそうな切り口を選びます。SEOやリスティング広告など能動的に調べている人を対象にするなら、特定の目的のために買う人を絞ってターゲットにするとわかりやすいです。
切り口の例
- ファン、リピーター、初回購入済み、未購入
- いますぐ買いたい、課題を認識して調べている、まだ情報を探していない
- 他社商品を利用中、代替手段として他の商品カテゴリを利用中、何も使っていない
- 法人向け(業務用、プロ向けなど)、個人向け
- 大企業、中堅企業、中小零細企業、個人事業主
上記のような分類と、ニーズをかけあわせた区切り方をします。
顧客が悩みや興味を持つきっかけ、情報収集の方法、意思決定の流れなどについての修正した仮説をもとに、ペルソナやカスタマージャーニーマップに落とし込んでいきます。あわせて必要なコンテンツを整理します。
5.詳細なコンテンツ企画
コンテンツごとに読み終わったあとに読者にどんな行動変化を起こしてもらうのか、目的を決めて構成を作成します。
1.記事企画、2.他メンバーからのフィードバックと記事企画修正、3.見出し案作成 4.フィードバックによる見出し案修正のプロセスで進めます。
記事企画に含めるもの
- 記事タイトル
- 対象ペルソナ
- 記事に最低限含める情報
- 読後にユーザーがどういう状態になっているのが理想的なのか
- 次に何をしてもらいたいのか
- SEOで対象にするメインキーワードとサブキーワード
見出し案に含めるもの
- h2、h3、h4など(見出し)に何を書くか(h2しか使わないこともあります)
- それぞれの見出し以下に含める内容
- 見出しごとの結論
- イラストや図解など画像挿入の指示
- ほかのページへのリンク指示
- 見出しごとに引用するための参照データ(政府系機関の出しているものなど信頼性の高いもの)
意外な事実を収集してコンテンツに活かしましょう
先入観を持たずにヒアリングして、細かい事実をたくさん収集していきましょう。とはいえある程度仮説を持ってからインタビューをしないと、質問の方向性が定まらないですし、深堀りしていけません。
「こういうきっかけで買う人もいるのか」「そんな使い方想像したこともなかった」、「こんなふうに自社商品が役に立っているとは知らなかった」などの、新しい発見をインタビューから拾って、同じニーズを持つ他の人に届けてください。