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4P分析でコンテンツマーケティング施策を整理する

2023年7月30日

マーケティングのフレームワークとしてよく聞く4P(Product, Price, Place, Promotion)をコンテンツマーケティングの施策整理に使う方法を説明している記事です。経営やマーケティングのモデルやフレームワークをコンテンツマーケティングでどう使うか考えてみる連載です。

4Pとは?

Product(プロダクト:製品), Price(プライス:価格), Place(プレイス:販売する場所・流通チャネル), Promotion(プロモーション:販促・広告・広報など)のことです。それぞれについて考えることで、マーケティング活動を整理できるフレームワークとして、幅広く活用されています。読み方は「よんぴー」もしくは「ふぉーぴー」です。

4Pの視点は売り手側にあります。マーケティング戦略において、企業が自ら実行することにより、変化を促せる要素で構成されているのが特徴です。さまざまなフレームワークを組み合わせて戦略を策定するため、マーケティングミックスとも呼ばれています。

以下はコンテンツマーケティングの戦略や戦術を考えるときに4Pのフレームワークをどう活用するかを説明します。基本的に上から順番に考えていきます。

Product(製品) 誰に何を売るのか?そのためにどんな情報提供をすればよいか

製品は制作するコンテンツを決めるもっとも大きな要因です。製品を軸にして誰にどう売るかを決めることがほとんどなので、製品情報から調査を設計して、どのような情報を配信するかを整理していきます。

マーケティング部門が機能別組織として事業部から切り離されていることがあります。そのようなときには商品の強みや特長をマーケティング部門だけで整理するのではなく、商品開発部や主管の事業部などからヒアリングして取りまとめると、より広い範囲を対象としたコンテンツの企画設計が可能です。

製品について他社との差別化、ポジショニングについて整理することも、コンテンツマーケティングには欠かせません。明確に他社より優れている製品でなくても、強みとしてアピールするところを他社とずらす、業界や企業規模などターゲットを絞って見せるなどすることで、コンテンツマーケティングは成功しやすくなります。

近年では、先にコンテンツをつくり、その反応を見てから製品を作るというケースも増えてきています。基本的には、商品ありきでコンテンツマーケティング施策を考えますが、逆に先にコンテンツの反応を見てから商品開発するのです。コンテンツの成約率や拡散の状況からニーズを把握すれば、無駄な商品開発を防げます。ランディングページにコンセプトとメール登録フォームだけを用意して実験します。 コンテンツ自体を製品に組み込む方法もあります。購入前の事前説明のためではなく、製品購入後に利用する体験のひとつとしてコンテンツを提供するのです。たとえば、ECサイトの購入者に製品を送付するときに、その製品の使い方や使っている人のインタビューなどをまとめた小冊子を同梱するなどします。これによって製品についての体験が改善されて、結果としてリピート率やアップセル・クロスセルの率などが上がったり、ソーシャルメディアに投稿してもらえる回数が増えたりする可能性があります。

Price(価格) 比較される代替手段は何か。課題・悩みの深刻度を金額にするといくら?

価格はコンテンツマーケティングを実施するうえで、比較対象となる製品や企業や直接的に競争する範囲を決める要因のひとつです。

特にまったく同じものを売っていて価格に大きな乖離がある場合は、コンテンツマーケティングだけではどうにもならないので、施策実施対象を他の商品に切り替えることを検討すべきです。

価格は変えられなくても何を価値として説明するかで売れる先は変わります。 同じサービスでもコスト削減のために導入する人もいれば、売上アップのために導入する人もいます。

比較してもらう代替手段によっても価格への印象は変わります。たとえば原稿執筆のサービスを売っているときに、比較されるのが他のサービス事業者なのか、フリーランスなのか、それとも内製化している社員の人件費なのかで顧客がイメージしている金額は大きく違うかもしれません。コンテンツで伝えることによって何と比較してくれるユーザーをサイトに呼び込むかは変えられます。

顧客の課題や悩みのうち深刻度の高い要素を見つけることができれば、それを説明したほうが価格に対して価値を感じてもらいやすいです。 集客経路によっても流入するユーザーの課題や悩みの深さは異なります。経路やユーザーの訪問意図などの文脈にあわせて価格のアンカリングをします。たとえば、バックオフィスの業務効率化をするシステムを販売するときに、総務経理担当の方1名分の作業時間を削減できるという伝え方もあれば、現状の代替手段から乗り換えるとコストがこれだけ下がるみたいな伝え方もあります。どこをイメージしてもらうかで、伝わりやすさや価格の納得感は変わります。

Place(流通チャネル) 見つけてもらう、買ってもらう場に適したコンテンツとは?

コンテンツマーケティングでは、ユーザーが見ているチャネルにあわせて情報発信することが重要です。製品によって顧客層は大きく異なるため、それぞれにあわせたものを選びます。オウンドメディア、ソーシャルメディアなど自社の顧客が見ているものを調査しましょう。

見つけてもらうチャネルと購入するチャネルは異なることもありますので注意が必要です。たとえば、コンビニやスーパーなどの店頭での購入がメインの生鮮食品のような製品もあります。買ってもらう場所にあわせたコンテンツを用意しなくてはいけません。コンテンツマーケティングはWeb上での施策に限定されるものではなく、リアルな店舗でもコンテンツを届けることで顧客の行動を変えられる可能性があります。 自社ECサイトや楽天、Amazonのようなモールでも提供するコンテンツは変わります。どのような目的意識を持って見ている人が多い場なのかを考えて、その文脈にあわせてコンテンツを制作します。

Promotion(販促、広告、広報) 拡散や集客の方法とマッチする情報は?

制作したコンテンツをどう見てもらうかはチャネルと関連づけて考えます。広報、広告、SEO、ソーシャルメディア、販促など、集客する方法は様々です。

集客方法によって、見てもらいやすいコンテンツが変わるのを意識します。たとえば、SEOで集客するなら目的意識を持って情報を探しに訪問してくる人が多いのでその目的への回答となるような情報をコンテンツに含めます。Twitterで集客するなら、トレンドに乗ったものや面白そう・楽しそうだと思ってもらえるとにかく目をひいてクリックされやすいコンテンツを作ります。

また、「集客するため」「選んでもらうため」「買いやすくするため」のコンテンツはそれぞれ別です。これらを組み合わせて提供しますが、集客方法によって見せ方や見せる順番を変えます。 「買いやすくするため」のコンテンツはイメージしにくいと思うので例示します。たとえばBtoBオウンドメディアでは導入後の流れ、料金・費用対効果のシミュレーション、お見積もり例などが、すでに製品に興味を持っている人の購入を後押しするコンテンツです。一方でBtoCだとキャンペーン告知や診断・アンケートコンテンツなどがあります。

4P分析のメリットとは?注意点も解説

4P分析は、潜在的なリスクの早期発見を可能にします。どのように製品・サービスの魅力を発信すればユーザーに良さが伝わるか、多角的な視点から漏れなく検討できるため、さまざまなリスクの低減が期待できます。フレームワークは、マーケティング戦略を策定するうえで、重要とされる視点を集約したものです。そのため、効率よく施策のヒントを得られるというメリットがあります。 マーケティングミックスでは、4Pで考えたそれぞれの考えを連結させて分析を行います。4つの視点間で整合性が取れていない場合、施策の効果は十分に発揮されません。4Pに携わる部門が複数に分かれている場合、掲げたコンセプトをいかに正しく共有し続けるかも重要なポイントです。

コンテンツマーケティングは集客から成約の部分だけに貢献するものではありません

コンテンツマーケティングというと、オウンドメディアを構築して、SEOを意識した記事を公開していくことで集客するというイメージが広まっているような気がしますが、実際はもっと広い概念です。商談の現場でもコンテンツは使えますし、購入後の顧客体験を改善するのにも有効です。ユーザー理解を促進して製品開発に活かす、カスタマーサポートへの問い合わせを減らすなど、ビジネスの幅広いプロセスにコンテンツは関与しています。

今回は4Pを紹介しました。アイデアを拡散したり、分類整理したりするのに使えるなと感じていただけたならうれしいです。4P以外も含めて、こうしたフレームワークを用いつつ、新しいコンテンツマーケティング施策について考えてみる機会をつくってみてはいかがでしょうか。

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毛塚 智彦

この記事を書いた人

毛塚 智彦

2006年からデジタルマーケティングを開始し、2008年にサイトエンジンを創業しました。 SEO、コンテンツマーケティングが得意です。立ち上げた直後のメディアから、数千万PVあるようなポータルサイト・ECサイトまで、幅広く関与してきました。 業務ではマニュアル作成などの仕組みづくり、事業立ち上げ、採用などを担当しています。 Twitter

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