定番の経営理論やフレームワークをコンテンツマーケティングに活用する方法の連載記事です。
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バリューチェーン(価値連鎖)とは?
企業活動における様々な付加価値を追加していくプロセス・機能を、一連の流れとしてつなげて分析するものです。たとえばメーカーであれば、研究開発、製品企画設計、原材料や部品の仕入れ、製造、品質管理、マーケティング・営業、店舗やインターネットなどでの販売といった流れになります。企業によってプロセスは異なるものの、様々な機能が組み合わさって進むにつれて付加価値が加わっていき、顧客への販売にいたるというのは共通しています。
事業と利益の構造をあきらかにするために使うフレームワークです。活用例として、たとえば競合との比較をして、どのプロセスを自社の強みとして戦っていくか、特に投資を増やすべきところ、コスト削減すべき機能はどこかなどを整理するのに用いられます。
顧客視点のバリューチェーンとは?
基本的に企業を対象にしたものですが、一般顧客向け、BtoCのユーザー分析にもバリューチェーンは使えます。顧客のニーズを満たす、課題の解決などをゴールとしたときに、顧客がどのように行動するかをまとめます。
たとえば、料理をする生活者のバリューチェーンはどのようになるでしょうか。以下の図をご覧ください。
このように顧客になりうる生活者のバリューチェーンを考えることで、自社事業領域およびその周辺でどのようなコンテンツがあれば喜ばれるのかがわかります。
以下のような様々な企業がこのバリューチェーンを活かしてコンテンツを企画できます。
- レシピサイト、レシピ本の出版社など料理関連メディア
- 食品メーカー
- スーパーやコンビニなどの小売店
- 調理機器、調理家電メーカー
- 食器のメーカー
ポイントとしては、自社が直接的に事業として関与しているところ以外でもネタがあるということです。上記のバリューチェーンはそれぞれのプロセスをさらに細分化できます。たとえば「料理する」という工程1つとっても、メニューごとに調理の流れは大きく異なりますので、さらに分けて考えられます。「食材の買い出しに行く」であれば、買いたいものをメモする、お店を選ぶ、目的の食材を探す、同じ品目で複数種類ある場合は比較する、アプリやポイントカードを使いつつ決済するといったように分割できます。
いままで自社がコンテンツのネタとして対象としていなかった範囲で、顧客の役に立てるところがないかを考えてみてください。
オウンドメディアとしての強みを決めるときにも使える
バリューチェーンで顧客の価値創出までの流れを整理しながら、自社の強みと弱みを競合と比較して整理することもできます。競合企業のオウンドメディアを見れば、どの範囲のコンテンツに力を入れているかはわかります。
たとえば上記の料理のバリューチェーン例で、競合がいずれもレシピに力を入れていたとします。レシピは「メニューを考える」と「料理する」の箇所に該当するコンテンツです。レシピが飽和していて勝てないと思ったときに、「食材の買い出しに行く」の部分を狙って良い食材の選び方コンテンツを作る、「盛り付ける」を対象にしてインスタ映えするような盛り付けの説明をするなど、ずらすことで見てもらえる数が増えるかもしれません。
自社の強みとの整合性も大切なので、あえて競合がたくさんコンテンツを制作している範囲に少し工夫を加えて後発として入っていくこともあります。誰に、何を伝えて、どう態度変容してもらうのかという目的の部分が最重要なので、競合を意識して流入を確保することを意識するあまりに根本の目的からずれているコンテンツを作るのは避けなくてはいけません。
新規参入や異業種、異なるビジネスモデルを意識するきっかけにもなる
バリューチェーンを使って、新規参入や関連した他のビジネスモデルの整理もできます。整理するとコンテンツマーケティングに限らずマーケティング全般に役に立ちます。
以下の図はさきほどのバリューチェーンの複数プロセスに関与している事業を例示したものです。食品メーカーや料理関連メディアやスーパーなどのマーケティング担当の方が、周辺の事業を整理するのに活用できます。
さらにこの一連のプロセスを分解してしまうビジネスモデルまで考慮すると、より広くコンテンツのネタを考えることにつながります。
たとえば、Uber Eatsや出前館のようなビジネスモデルは上記のプロセスの多くを省略しています。これらの料理の配達サービスをユーザーは「食べる」部分以外の時間や労力を節約するために利用していることが多いかと思います。そうしたユーザーに対してスーパーや食品メーカーがどんなコンテンツを提供できるでしょうか?料理をタスクとしてではなく、楽しみのためのものと捉えられるコンテンツなど、選定の基準を変化させられるようなコンテンツがあるかもしれません。
上記はあくまでも例ですが、こうしてアイデアを拡散させ、ユーザーの様々な行動をについて考えてみることがコンテンツマーケティングのネタ作りに有効です。
バリューチェーンは細分化していこうと思うと、すごく細かい内容になっていきますが、この記事で紹介した粒度くらいのものであればすぐに作れて、考えるための材料になるかと思いますのでぜひ試してみてください。
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