Webマーケティングで成果を出すためには、コンテンツやSNSを活用してターゲットとなるユーザーにお問い合わせや資料請求を促し、リード(見込み客)を獲得する必要があります。
本セミナーでは、デジタルマーケティングの中でも「コンテンツ制作」が強みのサイトエンジン株式会社と、Instagramに強みを持つAIQ株式会社が共催し、ユーザーのニーズを捉えたInstagramの活用術とコンテンツの作成方法のノウハウをご紹介するセミナーを開催いたしました。
セミナーの最後には質疑応答の時間が設けられ、リード獲得について課題をお持ちの方の様々な疑問を解消することができました。
登壇者紹介
AIQ株式会社 Instagramマーケティングコンサルタント 山本 統哉
株式会社リクルートジョブズにて人材コンサルティング営業を経験後、セールス担当としてAIQに参画。プロファイリングAIによるInstagram運用支援ツールmoribusの営業Instagram運用のコンサルタント担当。moribusを活用しInstagram上での新規顧客との接点作りを支援。
AIQ株式会社について
INSIDE TECH ヒトを知る。というミッションに掲げInstagramの支援を行う。
SNSの投稿データ(「写真」「動画」「テキスト」等)を複合的に解析し、SNS投稿者の年代、性別、興味関心、居住エリア、フォロワー属性などを可視化できるプロファイリングAIエンジン「LiveReal(リブリール)」の特許を所有。
HPはこちら>>>AIQ株式会社
サイトエンジン株式会社 マーケティング部 荒井皓平
Webサイトの制作や運営、主に中堅~大手BtoC企業、特に教育領域での支援を経験。2020年にサイトエンジンに入社。コンテンツ制作、ディレクション、SNS運用など幅広くコンテンツマーケティングに携わる。現在はコンテンツマーケティング経験を活かしセミナーの登壇、運用を行う。累計約200本のセミナー運営を通してデータに基づいた科学的アプローチで集客や売り上げアップにつながるマーケティングを広めている
サイトエンジン株式会社について
「改善のタネを広める」という経営理念に基づき、コンテンツ制作・デジタルマーケティングに関するコンサルティングの他、デジタル人材の採用見極めや教育支援のためのSaaSを提供している。お客様企業が将来内製化できるように支援しつつ、制作や分析を行っている。
第1部:潜在顧客のタッチポイントを創出するInstagram活用術
なぜ今Instagramに力を入れる必要があるのか
山本:コロナを機にカスタマージャーニー(顧客行動)が変化し、認知の段階においてSNSで情報を得るということが当たり前になってきています。そのためSNSの重要性が高まってきました。
Instagramのユーザーファネル
SNSの中でもTwitter、Facebookに比べInstagramはアクティブ率(ユーザーがサービスを利用しているかを測る指標)が最も高く、ユニークユーザー数(一定期間内にWebサイトにアクセスしたユーザー数)も唯一伸びている媒体となっています。また、他のSNSは話題を探すという傾向が強いですが、Instagramの特徴は好きなモノ・コトを探す傾向が強いため、認知した瞬間興味が先行し、自分ごとになります。そのため認知した時点で興味があり、購買までの距離も短くなります。
これらの理由から新規顧客獲得に最適なSNSはInstagramだと言えます。
Instagram活用の成功事例
Instagramの強みを活かし、売上拡大にInstagramが貢献した事例が多く出ており、D2C・ECから始まったこの流れは、今後他の業界でも加速していくと考えています。
Instagramを活用し、顧客接点を増加させる4施策
山本:Instagramで成果を出すためにはオーガニック運用(通常のアカウント運用)、インフルエンサー、キャンペーン、広告といった施策がありますが、オーガニック運用の土台を作ってから施策を打たなければ効果を最大化できないため、まずは土台作りが重要となります。
Instagramの動向とアルゴリズムについて
山本:ここからは、どのようにオーガニック運用で伸ばしていくのか解説します。
Instagramのミッションとアルゴリズム
Instagramのミッションは「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」です。このミッションを実現するための関心度×親密度×鮮度というシグナルという評価判断が存在しています。
アカウントの運用では、ユーザーに価値のあるアカウント・投稿だとInstagramのアルゴリズムに判断されることが重要となり、アルゴリズムに合っていれば投稿するごとにアカウントを伸ばすことができます。
未来の顧客と出会える3つのタッチポイント
アルゴリズムに合った運用をしていると主に3つの利点があります。
1つ目は既存のフォロワーのホームフィードでより上位に表示されるようになります。
2つ目はハッシュタグ検索でも上位に表示されるようになります。
3つ目は発見タブに掲載がされやすくなります。
実際に自社で運用している事例で比較すると、アルゴリズムに合った運用をしているアカウントは、発見タブに掲載されるとリーチ数が約8倍、フォロワーの獲得数も3.5倍になった事例もあります。
具体的な運用手段とPDCAの回し方
リーチを最大化する投稿の流れ
山本:発見タブに掲載され、リーチを増加させるためには、コンテンツ・コミュニケーション・ハッシュタグが重要となります。今回のセミナーではコンテンツの部分を解説いたしました。
Instagramの運用目的
Instagram運用の目的は大きく3つあります。
- 商品・ブランド認知(知ってもらう)
- コミュニケーション(ファン育成 /ブランド理解)
- 商品・ブランドの購入・口コミ拡散
三つの目的に対して誰に×何を×どのように伝えるのかという部分が非常に重要となります。運用のスタンスを忘れずに運用をしていくことが必要になります。
フォロワー(=ユーザー)と企業の立ち位置を理解する
コンテンツを考える際、企業の伝えたいことと、フォロワーが求めているものを意識してその両方を満たせるような内容を意識することが重要となります。
フォロワーが求めている投稿を見つけるためには原点回帰し自身もユーザーの気持ちに立って自分自身が見たいと思った投稿を参考にすることが重要となります。
その中で投稿した内容がいかにユーザーの反響が高いかという振り返りも大切です。
振り返る際にInstagramは見るべき指標がたくさん存在しています。その中でどのように振り返るか解説していきます。
Instagram運用の振り返り
振り返りには
- Where
- Why
- How
の三つのステップが必要となります。
Whereに対しては各月の全体データを比較、Whyは全体データに対しなぜ増加・減少したのかという要因を分析、Howは要因分析をした結果に対し、打ち手の検討・実施をするべきだと考えています。
フォロワー(=ユーザー)の動きを整理
振り返りをする際のフォロワーの動きのステップを整理し解説します。
基本的に、コンテンツに出会う→リーチ→保存、滞在期間やいいね、コメント→フォローという順でつながっていきます。重要ポイントとなる保存や滞在期間は機能的価値、いいねやコメントは情緒的価値といいます。
機能的価値と情緒的価値の投稿とは?
機能的価値のある投稿とはTips的な投稿のことで、保存や滞在期間が増えやすいです。
情緒的な価値のある投稿とは共感を得やすい投稿のことで、感情が芽生えるような投稿によりいいねやコメントが増えやすいです。
この二つの投稿を使い分けることが重要です。
Instagram運用の指標の考え方
以下のように様々な指標を整理して、スプレットシート・エクセルシートでデータをまとめ、3ヶ月分で比較しながら振り返りすることを推奨します。
投稿コンテンツの価値
- いいね数
- コメント数
- 保存数
- 滞在時間
- プロフィールクリック数
投稿コンテンツの設計
- リーチ数
- インプレッション数
∟発見タブ
∟ハッシュタグ
∟ホーム
∟地域・・・etc
アカウント自体の価値
- URL リンククリック数
- フォロワー離脱数
- フォロワー獲得数
- フォロワー数
- プロフィールクリック数
潜在層に届けるリール投稿
最後にリール投稿について解説します。
フォロワー数26名のアカウントで実験としてリール投稿したところ、再生数が3000を超えました。リール投稿は再生数が伸びやすく、潜在顧客に届きやすいです。
リール投稿の運用ステップはまだ未知数な部分が多いため、自社でチャレンジをして勝ちパターンを探ることが重要となります。
最後に
Instagram運用においてあるべき姿は運用の結果に対して、分析をし、改善をし続ける状態ですInstagramの運用に正解はないので、いろんなチャレンジをして欲しいと思います。
AIQのサービス紹介
Instagram運用ナビゲーションツールmoribusのご紹介をしました。
勘や経験で行っていた属人性の高いInstagram運用から脱却し、より多くの親和性の高いファンを獲得することができるツールです。
大きく、以下3つの支援を行うことができます。
- 人気投稿を把握
- #タグのAI判定
- 精度の高いレポート
第2部:Webサイトからのリード獲得を最大化しよう!ユーザーニーズを捉えたコンテンツの作り方
Webサイトからリード獲得するには
荒井:Webサイトからリード獲得するにはサイトに訪問してもらうだけでなく、商材に興味を持ってもらうということが必要となります。
商材に 興味をもってもらうためには、以下のようなことを行います。
- 商品やサービス内容が伝わるような魅力的な写真や文章を掲載する。
- コンバージョン率を高めるために、アクセス解析をしてサイトの問題点を分析する。
- 導入事例ページの質を高め、お客様の声を掲載して信頼を得る。
このように、ユーザーのニーズを満たしたり、ユーザーの課題を解決して‘役に立つサイト’ ’信頼できるサイト’だと思ってもらうことが大事です。
リード獲得のための考え方
ユーザーのニーズに合わせたコンテンツを作ることが重要となります。
ニーズに合わせたコンテンツの作り方は流入のきっかけ・理由とページで見せる情報のかけ合わせを意識するべきと考えています。流入のきっかけ・理由の例としては以下のようなものがあります。
- 友達から商品についての口コミを聞いて、商品名で検索してきた
- Twitterを見ていたら、たまたまURLが目にとまった
- 悩みがあり、それを解決するための情報を検索エンジンで探して見つけた
どんなきっかけ・理由で来訪してくるのかを理解し、文脈にあったコンテンツを提供することが重要になります。
多くの方がリード獲得に苦戦している理由としては、継続ができないという理由が大きいです。コンテンツマーケティングはリスティング広告に比べて結果が出るまでに時間がかかりますが、時間と共に費用対効果が上がっていく施策です。
コンテンツ量がある程度増えると相互作用により効果が伸びてきます。
そのため最初の結果の出ない時期にやめずに、長期的な視点を持つことが重要になります。
ユーザーニーズを捉えたコンテンツの作成方法
荒井:作るコンテンツを決める際、弊社では、「自社の強みと一致」、「コンバージョンしやすい」、「集客しやすい」という3つの軸で作成するコンテンツを考えます。最も重要となる軸は、自社の強みと一致するコンテンツです。理由としては競合他社などと差別化するために、自社の強みを活かしたコンテンツを重視します。また、その次に重視するべき軸は、今回はリード獲得が目的なのでCVしやすいコンテンツと考えています。
自社にしか作れないコンテンツとは?
自社にしか作れないコンテンツ、つまり自社の強みと一致するコンテンツ例は以下です。
- 自社のサービスがどのような課題を解決するために採用されているのか
- 自社のサービスがどのように使われているか
- お客様からどのような要望や質問が営業やCSに届いているか
- お客様が自社のサービスを導入する前にはどのような方法でニーズを満たしていたのか
- お客様が採用している現状の方法にどんな問題があるのか
- お客様の感想や口コミ
自社の強みと一致するコンテンツを作る中でも、お客様からよく聞かれることが効果的です。また、コンテンツを書く際に意識することは丁寧に書くことが重要です。
情報を出し惜しみせずに自社以外の周辺情報も提供することでユーザーの知りたい情報を提供できます。
コンテンツタイプごとのおすすめ優先順位
集客と成約の軸、ストックとフローの軸で分けています。
このマトリックスと優先順位を参考にコンテンツを作るのがおすすめです。
コンテンツマーケティングで成果を出すのカギは”継続”
荒井:コンテンツマーケティングをする上でよくあるトラブルを紹介します。
- ライターが辞めて更新が止まってしまう
- ネタが切れて事業と関係のないものにテーマが広がる
- うまくいきつつあるのに、制作ペースが上がっていかない
これらの問題は仕組化することで解決できます。
コンテンツの探し方
様々な部署の業務の中からコンテンツになるものを探すことも一つの仕組み化です。
ネタ切れを防ぐため、例えば営業でお客様と話をする中で出てきたことなどをコンテンツにできることがあります。しかも、お客様のやり取りの中で発生した質問なのでニーズが高い場合も多いです。
記事の構成案ルールを作成する
荒井:コンテンツを作る際は弊社で行っている記事の構成案のルールを決めます。
ライターの方が執筆する前にマーケターが構成案を作成することでライターの能力に依存せず、属人化を防ぐことができます。
サイトエンジンのサービス紹介
荒井:このセミナーにご参加いただいた方への特典として、コンテンツマーケティングに関する個別の無料相談会を実施しています。
自社だけでやりきるのが難しい場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
Q&A
実際にどのように他部署にコンテンツのネタを提供してもらっているのか知りたいです
荒井:弊社では以下のようなことをやっているので、もし困ったらこちらも真似していただけるといいかなと思います
- 新規ご契約時と納品完了後に必ず導入事例インタビューのお願いをして、
Q&Aご了承いただいたお客様に取材して記事化
- お客様からの質問、要望、クレームなどを全員が日報で「いただきフィード
- 「バック」として報告するようにして、その内容を参考にコンテンツ制作
- オンラインセミナーを開催したあとに、セミナーレポート記事を作成
- 採用・人事担当の指名で、持ち回りで毎月1人採用のためのコンテンツを作成
- お客様からご要望いただいて実施した作業内容をサービスページとして新設
SNS投稿も興味を引くのに強いコンテンツやCVに強いコンテンツのように分けられるのでしょうか?
山本:同じように分けられます。ただ、毎回興味を引くようなコンテンツを投稿するのではなく、最初は興味を引くコンテンツを投稿してその後コンバージョンしやすいコンテンツなどを投稿したり絡ませながら投稿しています。
製造業ですがBtoBビジネスでSNSマーケティングをされるケースはありますか?
山本:BtoBビジネスでは訴求がしづらくあまりないです。
Instagramに関してモデルアカウントなどうまくいっているアカウントを探すコツを教えていただきたいです。
山本:うまくいっている定義をエンゲージが高いとすると、定義する対象業界や対象内容となるハッシュタグで探すことがおすすめです。ハッシュタグの中でも人気投稿の上位をみるとInstagramが評価しているアカウントが見れるのでそちらを参考にしていただくのがいいかと思います。
まとめ
第一部ではInstagramの重要性から活用法まで解説いたし、第二部ではリードの獲得方法からコンテンツの制作方法、継続方法について解説いたしました。
本セミナーを参考にSNSやコンテンツマーケティングを効果的に活用していただければと思います。
セミナーのご参加お待ちしております
サイトエンジンでは、Webサイトで成果を出す秘訣をお伝えするためのセミナーを多数開催しております。セミナーでは質疑応答も受け付けておりますので、コンテンツマーケティングにご興味のある方のご参加をお待ちしております。